6月21日(土)25時25分

6月21日(土)25時25分

 

ここ数日間ずっと雨が降っているか曇っている。じめじめしている。

夜、布団について、あとは寝るだけっていう時に、窓から雨の降る公園を眺めるのはとても気持ち良い。

雨が降ると、ビアガーデンはたいてい中止になる。

今日も一日雨が降っていた。世間的には、今日は金曜日で、予約もたくさん入っていたのだけれど、この雨には、金曜も土曜も平日もクソもないから、関係ないのだ。僕はバイト先で、雨の降る外を眺めながら、もし、僕達人間の世界の金曜日が、一日ずれていたら。つまり、この歴史の最初に曜日を定めるのが、あと一日遅かったら、今日はまだ木曜日で、この予約もそんなにたくさん入っていなかったかもしれない、なんてことを思っていた。

とにかく今日はつかれた。昼寝をしていない。今日は、清掃のバイトから帰ってきてすぐに小津安二郎の「秋刀魚の味」を見たのだ。素晴らしかった。カメラワークと、構図と、脚本、台詞の言わせ方、こまかい動作や小物の配置など、すべて計算されていて、観た後に、強く「体験した」という感じがあった。

映画もだけど、最近、本を見まくっている。実家に帰るまえよりもはるかに速いペースで読んでいる。ひと月に4冊か5冊くらい。次読む本が無くなってしまうのがこわいくらいだ。たぶん僕は、かつて体験した事のない、いまのバイト生活で、精神的なバランスをとるために読んでいるのだと思う。本の中にのめりこむことによって、いまの、フリーターと化して働きまくっている自分を、対岸に置いて、相対化しようとしている。そうせずにはいられないのだと思う。いまのところ僕が読みたいのは、物語に限っているし。

Posted by satoshimurakami