2013年9月16日 | 

2013年9月16日

 

米田知子展@東京都写真美術館

物語が立ち上がろうとする瞬間を捉えたような写真。少し前にみたグルスキーとは対照的で、グルスキーはかなり平面的な写真だったように思うけど、米田さんの写真は平面であることを忘れているような、そんな印象。奥行きがものすごくあって、窓から外をみているかのような気持ちになった。不思議に思って写真を角度をつけて横から見てみたら、それは紙にインクがのっているだけの平面だったんだけど、写真の正面にたった途端、そこに途方もない奥行きが生まれるような感じ。

「際立ったモチーフを撮らない」「少しアンダー気味のプリント」などが、その写真を撮った空間にある、なんかもやっとした雰囲気、voidのようなものを写すことに成功している。そしてその「なんかもやっとした雰囲気が、キャプションによって説明され、その場所の歴史と接続されて深みを増す。

しかしなによりも、とにかく画面の奥行きがものすごい。四角い画面に切り取られているのが意識されなくなってくる。白い額縁が窓のように感じる。画面をじっと見ていると、風景がどんどん迫ってくる感覚が何度もあった。

美術館の白い壁にたくさんの窓が並んでいる。その窓はそこにうつる風景への窓というよりは、自分の遠い記憶や無意識と、米田の撮った風景との間に生まれるイメージを臨む窓。

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