10月11日20時40分 | 

10月11日20時40分

こっちにきてから4日目が終わるが、今のところピザとパンしか食べていない。飽きた。

今日は朝ホテルでパンを食べて、昼にベニス本島の「PIZZERIA RISTORANTE AL PROFETA」というお店でオリーブピザを食べて、夜には昨日行った「BAR PICCOLO」で昨日と違うピザを食べようと思っていたのだけど、なぜかとても混んでいて、お腹もそこまですいていなかったし、ワインとおつまみも買ってきているし、ピザにも飽きていたので、結局入らずにホテルに帰ってきた。

というかイタリア人はピザを食べすぎで。ヴェネチア本島に「PIZZA」という看板を掲げて商売するのはわかる。観光客相手に、イタリア名物のピザを食べてもらおうという気持ちはわかるけど、僕が泊まっているメストレは割と住宅街で、現地の人が多いはずなのだけど、そんな町の店にも「PIZZA」という看板を掲げているのはどういうことなのか。日本でいうところの「米」という看板を掲げて商売しているようなものだと思う。本当にこっちの人はピザ(かパスタ)をそっちゅう食べる。少なくとも外食では食べているように見える。昼も夜もピザを食べる。しかも一人一枚食べる。それでも「PIZZA」という看板をみたら「あ、ピザいいね」という感じでお店に入っていくような感じだ。飽きろよ。ピザに飽きろ。

まあまだこっちにきて全然日が経ってないので、見えていない部分がたくさんたくさんあるのだろう。どんどんみたい。あと2ヶ月くらいはこっちに滞在していたい。1週間ではちょっと短すぎる。ようやくスーパーでワインとおつまみを買ってホテルに帰って、それを飲みながら日記をかくくらいのことができるようになってきたのに、もう明々後日には帰国だ。スーパーではお会計の時に「ディエチ」という単語は聞き取れた。ディエチとは10という意味だ。ディエチのあとに続く言葉は全く聞きとれなかったけど、ディエチは聞き取れたので、とりあえず11ユーロだしておけば間違いない。あとでレシートを確認したら、10.68€(10ユーロ68セント)だった。つまり「ディエチ セッサンタオット」と言ってたはずだ。あとから考えると、そんなふうに言っていたような気がする。

さて今日は、まずアルセナーレの会場にいってカタログを買ってきた。一緒に紙袋も買おうと思ってお願いしたら店員のかっこいいイタリア人のお兄さんが「いまこれしか無いよ」と言って「Electa」「www.electaweb.it」と書かれた紙袋を見せてきた。僕はオッケーといってそれを買ったけど、いま考えると「Electa」って何だ。協賛企業のところをみてもその名前は無い。よくわからない。

そのあと、「Imago Mundi」という、Gallery out of placeのみなさんに教えてもらった関連展示をみにいこうとしたのだけど、場所がわからなかった。。人に聞こうとしてもどう説明すればいいのかわからない(というか、建物名や住所を言ってもわかる人はほとんどいないような気がする)し、時間もあんまりなかったので諦めてしまった。

そのあと、噂の「When attitudes become form」をみにいった。10ユーロ。これは、、なんだか複雑な気持ちになった。。かつてベルンで行われた展示を、ベニスに持ち込んで再現した展示で、ベルンの時の展示空間(壁とか柱とか)と、ベニスの会場に挿入して展示していた。例えば、既存の壁にちょうどあてはまるところはその壁に展示して、壁が無いところには壁をつくってその壁に展示したりしていた。よくやったな、という感じ(何様)だったけど、なんだか「あちゃー」という感じもあった。でも、彼らが、デュシャンやウォーホルと同じように、美術を拡張して、この時代をつくったおかげで、僕たちの時代につながっているのだと思いながら眺めた(この展覧会は「作品をじっくり観る」ということができなかった。いたるところにスタッフがうろうろしていて、作品に近づいたり前でしゃがんだりするとすぐに注意がくる。作品そのものも、デティールをじっくり観る、というタイプのものは無かった)。ただ、このキュレーションの仕方だと、なんだか「ボイス一派」という風に観れてしまうという、あたり、さすがボイスだと思った。ボイス(ボイスの有名な「部屋の角を油(?)で埋める系」の作品をみれたのは良かった。でも、その部屋が「展示空間を再現するために仮説で作られた壁」だったのが残念、というかこれアリなの?)、リチャードセラ(セラの、鉄板が壁にたてかかってる作品はとても良かった。)、リチャードロング、ウォルターデマリア(荒野に線を引いてねっころがっている写真はかなりヤバかった)、ダニエルビュレン、ジョセフコスース、ブルースナウマン(ナウマンはどうしてもわからない)、デニスオッペンハイム、ロバートスミッソンなど知っていた名前と、その倍くらいの知らない作家たちが展示していた。

カタログを買おうか迷ったけど、ちょっと高すぎたのでやめました。

その後は「UNATTAINED LANDSCAPE 未完風景」という、日本財団がやってる展覧会を観に行った。これがとても良かった。

小泉明郎さんの映像が素晴らしくて、インタビュアーが質問して、それに対する答えを、東京で撮った映像の声を一単語レベルで分解して、小泉さんがつくりあげた答えになるように編集された映像と、それの裏側には口以外の部分を覆われた人が話す映像。牧野貴さんの映像と、もう一人葉山嶺さん(?)の映像も素晴らしかった。David Peaceの「Occupied City」という作品も良かった。

あと米田知子さんも、写真美術館でみたばっかりだったけど良かった。「窓から外を見ているかのような写真」はヴェニスでも健在だった。ティラヴァーニャの作品がよくわからない。展示案内図には書いてあったけど、そもそもあったのか自信がない。天井に二つスピーカーがついていたからあれの可能性が高いけど、特に音は聞こえなかったように思う。係員に聞く気にもならず。。あと、映画監督の松江さんが撮った前野健太さんのドキュメンタリーが「ジムオルークが選んだ6本の映像作品」の1つとして上映されていて、僕がそうとしらず、映像をろくみ見ないうちにヘッドホンをつけたら、「天気予報」が流れてきて、びっくりした。ずっと聞いていたら、あとでギャラリーのおばちゃんもヘッドホンをつけて鼻歌を歌いながら「これ私たちも好きよ」みたいなことを言ってくれた。

 

そのあと、金獅子賞を取ったアンゴラのパビリオンをみたけど、これは作家の力ではなくて、完全にキュレーターの力によって受賞していると思った。そもそも審査員がキュレーターが多いので、キュレーションの面白さというか、そういう価値判断の基準を取ってしまうのは仕方が無いと思うけど、僕はアンゴラ館はよくわからなかった。現地で撮った写真とカタログを観ながら、これからあらためてアンゴラ館で行われたことを検証してみたいと思う。

今回ビエンナーレを観て、美術の表現は、基本的に個人の作家が行うこと、という、僕がこれまで「主要な考え方」だと思っていたものは、もはやとっくに無くなっていたのだと思った。もちろん個人の力で成し遂げられた表現もたくさんあるのだけど、同時に(特に映像作品に多かったことだと思うけど)様々な分野の人が関わりながら、1つの作品を完成させる体制が当たり前になっている。映像を作ろうとしたとき、音楽をやっている人も参加するし、カメラマンも参加するし、俳優も編集者も参加する。最初のアイデアは一人の作家から生まれたもの(それもどうなのかちょっと怪しいけど)なのだろうけど、どんどんいろんな人が巻き込まれながら、まるで映画の制作過程を辿るかのように映像作品がつくられていく。でもそれは「美術」という路線で発表されるので「売買」や「展示」の対象になる。「映画館で順々に上映する」という風にならない。

映像なので始まりと終わりとがあるのだけど、美術として展示される以上、途中から入ってもいいし、途中で出てもいいように展示されることが多い。なぜならそれは「美術館に置かれている”作品”」だから。「彫刻」や「絵画」と同じように扱われるから。(こんなことを前に誰かも書いていたような..)

この世界では、制作だけでなくて、キュレーションも同じくらいのウェイトを占める大切なことなのだと感じた。むしろヴェニスビエンナーレではキュレーションの方が若干優勢気味?

作家が作ったものを、どういう言葉とともにどういう路線で打ち出していくか、あるいは作家の”組み合わせ”によって、何を伝えていくか。その競い合いがヴェニスビエンナーレの核になっていると思った。企画展の中の作家に「~ exhibition curated by ~(作家名)」というタイトルの作品もあった。

 

 

ヴェネチアは日本で言うと築地と京都を足したような町だ。人柄は築地で働いている人たちに近い物を感じる。路地の感じとか、観光客と現地の人がごちゃごちゃに歩いている風景は京都に近いものを感じる。

そしてパステルカラーの町だ。カラフルなのだけど、彩度は高くない建物がたくさん並んでいる。こんなに複雑な路地には何か訳があるのか。地の利を持つ人はこの町ではとても有利だと思う、戦いの時とか。地図で現在位置を確認して、歩く方向を決めてから歩き出しても、地図から目を離すとあっという間に迷ってしまう。迷ってしまっても楽しいまちなのけど。路地をうろうろしてたら、突然巨大な広場に出くわしたり、川や海に出くわしたりする。

また、建物の基礎はどうなっているのか、海水で基礎がだめになってしまわないのか。まちはいつつくられたのか。都市計画のようなものはあったのか。いろいろと帰国して調べたいことがでてきた。

帰りにスーパーによってみたけど、生ハムと、チーズと、パスタとオリーブオイルとワインの品揃えが豊富だった。パスタとワインがやすい。

10月11日20時40分 | 2013 | 未分類 | Comments (0)

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