0607

今日家は後輩宅に置いたまま。せんだいメディアテークの近くでレンタサイクルを借りて、海岸の方まで走っていってみた。2、3年前にも仙台から石巻にかけての海沿いを同じようにレンタサイクルで走ったことがあった。あれからどう変わってるのかちょっと見てみるために。

とりあえず海を目指して東に走ってるうちに、七ヶ浜というところに着く。海水浴場らしきところについたけど、あたりはごっそりと津波にさらわれたみたいで、いまは瓦礫も片付けられて原っぱのような感じになってる。基礎だけ残っている家とか、鉄骨だけ残っている何かの事務所らしきものもある。「津波でさらわれたあとの家を描く」のは、なんだか震災に便乗してるみたいでわざとらしいかと思ってたんだけど、再びその跡地を目の当たりにして「これは描かないといけないな」と思った。間違いなくそこにあった家。地面に固定されているから壊れてしまった。そして、まだ先行きが見えないまま敷地に草が生えて原っぱになってる。

考えてみたら描かないで避けているほうが不自然だ。僕は海岸線を歩いてるんだから。そしてやってみたら自然に描き始められた。海岸には家族連れが一組いる他にはひと気が無くて、ウミネコの鳴き声が人の声みたいに聞こえてすこし不気味。

 

夜、仙台に住んでいる大学の友達二人と飲む。

「動いている気がしないから、いまここも地元のような感じがする」っていう話をしたら「ずっと歩いてるから生活が地続きなんじゃない?」と言われた。そうかも。

いまや移動と言えば電車とか車とか飛行機にのるもので、乗り物に乗る前と降りた後では断絶がある。東京で電車に乗っていると、ある駅から次の駅へと景色が変わる様が、まるでテレビのチャンネルを変えているみたいに見えて、もはや移動はほとんど脳内で行われているんじゃないかと思ってしまうぐらい。どこでもドアはいらない。たけコプターが欲しい。体を外気にさらしたまま移動しないと、断絶がおこってしまうのだ。

Posted by satoshimurakami