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ここらは越喜来の南区というところで、わいちさんは越喜来南区の区長らしい。すごい区長だな。こんな区長ならどこまでもついていきたい。ここらも復興という名目でやたら大げさな工事が行われている。陸前高田と同じだ。堤防が高くなって海が見えなくなる。まちの人たちは一人一人の声が届かないことにうんざりしている。わいちさんは「ここ1年で一気に景色が変わりはじめたなあ」って言ってた。

今日は、津波にさらわれた跡地に花壇をつくり羊を放牧する「リグリーン」という試みで作られた花壇を別のところに植え替えるという作業を手伝った。なんでもこの花壇のあるところがかさ上げ用の土砂置き場になるためやむなくうつさなくてはいけないらしい。なんか陸前高田でもこんな話を聞いたような。。で、高校生が40人くらいボランティアで来ていて僕もそこに混ざった。みんなえらい。友達と話したりしながらも、ちゃんと土をさわって作業をしている。女の子が多いなあと思って聞いてみたら、そもそも女子の方が多い高校らしい。そんな女子高生二人とすこし話をした。その二人は高校にあるJRCという部活のメンバーで、普段から老人ホームのお手伝いなんかのボランティア活動を部活動としてやっているらしい。岩手県はそれがとても多いらしい。そんな部活があるのか。偉すぎるな。

お昼休みのとき、高校生達が誰に言われるでもなく潮目に集まって遊びはじめたのがすごく良かった。「ここから登れる」とか「そこ滑るから気をつけて」なんて声があちこちから聞こえた。すごい。潮目は、公園にあるアスレチックとかジャングルジムみたいな洗練された安全な遊具ではないのだ。釘も飛び出してるし、床も抜ける可能性がある。木登りしてるみたいに、あるいは山の雑木林を降りるみたいに遊ばないといけない。そこが楽しいんだ。注意しないと下手したら釘が頭に刺さったりもする。それで破傷風とかになって死んじゃうかもしれない。でもそこが楽しい。ここをこう通るとか、ここには登れないとか登れるとかっていうものが設定されていない。基本的に「自己責任で遊んでください」っていうもの。だから「そこ滑るよ」とか「こっから登れるよ」とかっていう会話が自然と生まれる。すばらしいな。わいちさんもごく自然にその中にとけこんでいって「そっから入れるべ」とか「これが滑り台になっててな…」なんて言って笑っている。良いなあ。

あまりにもみんなが集まっているから、そのまま集合写真を撮ろうと先生や大人達がカメラを構えて「こっち向いてー」とか「こっち集まって」とかって声をかける。うん。すごくその気持ちはわかる。写真に残してあとで見返すのも楽しいと思うし、それは活動の報告としても必要なんだろう。でもその写真をとるためにわいちさんや高校生たちが笑いながら話したり遊んだりするのをちょっとでも中断するのはすこし悲しい。「こっちむいてー」なんて言わずに、遊んでる姿を撮るだけじゃいけないのか。ていうか記録写真てそういうために撮るんじゃないのかな。写真を撮るために、そのときの行為を一旦中断してこっちを向かせるってどうなんだろう。そのままあえて写真には残さずに遊ぶだけ遊んで、記憶だけに刻み付けておいてほしいという気持ちもある。まあでもこれはすごく個人的な考えなんだろうな。写真とるのも楽しいしな。どっちでもいいな。

夜は南区公民館で寝かせてもらう。越喜来のとまり地区というところを手伝いにきてる東海大学の学生たちも一緒。でもほとんど全く会話をしなかった。こういうとき「何しにきてるのー?」とかって話が自然にできればいいのだろうな。

Posted by satoshimurakami