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よく人に「~まで何キロ」ありますか?って聞いてみるんだけど、返ってくる答えはだいたい実際と違うことが多い。聞いたあとに歩いてみてよくわか る。基本的に車や電車やらで移動するから正確な距離を推し量る必要がないんだろう。そういう移動は自分と空気との交流を断ってしまう。東京で暮ら している時にもよく思ってたことだ。電車の駅と駅の感覚が何キロかとか、歩いたら何分くらいだとかってのは実際歩いてみないと全然検討がつかな い。移動はほとんど脳内でしかおこってない。歩いて移動する時の空気と体の交流がないと。そのときの風や雨や温度や湿度やあるいは虫とか草と戦っ たり仲良くなったりしながら、そのとき生まれる皮膚への刺激を感じながら動かないと、移動が脳内だけの出来事になってしまう。距離を正確に感じと る能力が退化しちゃうのはなんとなくヤバいような気がしている。

10時半頃出発しようとしたら熊の沢温泉の人が
「よかったらお風呂入っていってください。社長がそう言ってました」
と言ってくれた。やった。朝風呂に入れる。
「それじゃ遠慮なく」
という返事には本当に遠慮がなかった。 またあの素晴らしいお風呂にはいって、さっぱりしてさあ出発と思ったら今度はお店のおばちゃんたちが「これ持っていきな」と行って、無農薬らしいレ タスとミニトマトと、大きなキュウリ(名前があったけど忘れた)を持たせてくれた。生野菜だな。
「ほんとは味噌っこつけると美味しいんだけど、そのままでも美味しいから」
って言ってた。このあたりの人は何にでも「~っこ」と付けて話す。「お茶っこ」とか。岩手辺りからそうだったかな。
その生野菜をぼりぼりとかじりながら六戸という町を目指して歩いた。レタスの芯とかトマトの葉とかを道の外に捨てながら。道の両端がすぐ深い森に なってる。野菜は何もつけなくてもおいしい。でもちょっと舌が痺れる感じがするのはなんだろう。八戸から六戸まではほとんど山道で歩道が区間も多 い。気温はちょうどいいけどじめじめしていて、ちょっと雨も降り始めている。森がとってもきれい。本当に青々としていて、青森ってネーミングがぴっ たりだなあと思った。いまにも熊とか出てきそうな道なので、この間買った鈴をわざと手でならしながら歩いた。途中6人くらいに声をかけられた。
うち一組の親子が「東京から移動生活をしている」という僕の話に対して娘さんは「えーすごーい!」という反応で、お母さんの方からは明らかにちょっと 引いた感じで「そんなことしてたら捕まるよ」と言われた。「なんでいま自分は引いてしまったのか考えてみた方がいいですよ」って言おうとしたけどや めた。

その親子に教えてもらった温泉に向かった。「もりランド」という大きな温泉があるらしい。今日もまずそこで敷地交渉してみようと思った。こ のあたりは火山地帯だから温泉が多いらしい。結局今日はトータル17キロくらい歩いて「もりランド」に着いた。入ってすぐに敷地交渉する気になれ ないのでまずは温泉に入る。
ここは床と壁と天井すべてがヒバでつくられた大浴場があって、そこがとても気持ちよかった。その浴場は他の浴場とはす こし離れたところにあって、ドアに「中では静かにしてください」「ここでは石けん類を使用しないでください」と注意書きがある。入ると薄暗くて、全 面が木材なので木の中にいるみたいな気持ちになる。浴室全体がサウナっぽい感じになっていて、ちゃんと水分をとってから入れば何時間でもいられそ うだ。寝転がれる木の枕も置いてあった。なんか温泉巡りみたいになってきたな。

風呂から上がったら、なんとコインランドリーを発見したのですかさず洗濯する。今日洗濯できなかったら危なかった。そんで敷地の交渉をして みた。
「いま経営者がいないけど、たぶん大丈夫だと思います」
とのこと。経営者が来るのを少し待ってからもう一回言ってみたら
「雨も降ってるし、よかったら座敷部屋に泊まっていってください」
と言ってくれた。確かに雨が降ってると足が伸ばせない(足を外に出せる小さな窓がついている)からちょっと嫌なのだ。助かった。
ここは大きいけ ど、経営者の家族が2階に住みながら経営しているお風呂屋で、経営者の娘さんとかが中を走り回ったりしてる。超良い感じの温泉だったのだ。後で知っ たんだけど。
「そしたら遠慮なく」
と言って、荷物を持ってきたら
「できたら、ちょっと娘の絵を描いてもらいたいんですが」
と言われた。僕は自分が描く似顔絵を思い出した。それは酷いものだ(そのひどさを売りにしてるところもある)。
「人の絵はあんまり得意じゃないけどやってみます」
で、ちょっと描いてみた。娘さんはとても緊張している。僕とあまり話してくれない。でも気に入ってくれたんだなって事はなんとな くわかる。
というわけで今日は座敷部屋に座布団を敷いて寝る。昨日の熊の沢温泉でもそうだったけど温泉に入ってそのまま寝られるなんてとても贅沢だなあ。

0713 | 2014 | 未分類 | Comments (0)

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