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いまは8月26日の朝8時。瀬波温泉海水浴場ってところの更衣室のベンチに座って昨日の日記を書く。正面におおきく海が 見える。とても涼しい。水平線の向こうまで曇っている。海と空の境界はぼんやりしてる。人はほとんど通らない。すこし雨 も降ってきた。今着ているシャツが最後で、洗濯しないと着替えがない。いま服を洗っても乾かないだろう。やっぱり昨日晴 れてるときに洗濯しておくべきだった。できるときにしておかないとだめだな。

昨日はお昼頃まで近くのあずまやでお昼寝した。やっぱりお風呂に入らないと疲れがとれない。今日は長距離を歩くのやめよ うと思って、7キロくらい南下したところにある瀬波温泉ってところを目的地にして歩きはじめた。歩いてたら、一昨日会って 道を教えてくれたり笹川流れの民宿マップをわざわざ持ってきてくれたりした優しい青年に再会した。僕と同い年だった。最近 3つめの仕事を辞めてこれからどうしようか悩んでいるらしい。どれも自分に合わないと感じたらしい。彼は
「やりたいことをみつけられなかったんですよ」
と言ってた。僕も自分がやりたいこととか好きなことは未だに見つけられないけどやりたくないことはたくさんある。ってい うような話をした。やりたいことを見つけろとか、好きなことを仕事にしろっていう言い方やそれが正義みたいな見方は嫌 い。それは暴力だ。真面目に生きろとか人に優しくしろとかってのも暴力だと思う。人に優しくしてもしなくてもいいし、真 面目に生きても生きなくてもいいし、好きなことを仕事にしなくてもいいしやりたいことは見つからなくてもいいし、やりた くないことはやらなくていいし、嫌いな物食わされたら吐いてもいいし、人に頼ってもいい。 思ってもできないこともあるからややこしい。
「仕事して生きていかなくちゃいけないのってめんどくさいよね~。宝くじ当たれって思うよね」
って話もした。僕たちは生まれた時点で理不尽の中に投げ込まれているので、がんばらなくていい。死んだらみんな同じだ。 死んだらみんな同じところにいく。そんなの我慢できないので自殺はしたくない。生き続けるだけで違うところに居続けられ る。生きつづけるってだけで大変な大仕事で、運動し続けないとすぐ死んじゃう。呼吸をしつづけないと死ぬし、ご飯を食べ 続けないと死ぬし、寝ないと死ぬし、事故でも死ぬ。病気しても怪我しても死ぬ。やりたくないことを拒否できなくて自殺し ちゃうこともある。僕はいま洗濯しないと着替えがないけど、服を洗わないでずーっと着続けるだけで、衛生的に良くなくて 死ぬらしい。さらにめんどくさいことにこれら全てのことにお金がかかる。お金がかからないのは呼吸することくらいで、 寝るのにもご飯を食べるのにも、病気をなおすのにも洗濯するのにもお金がかかる。死ぬのにお金がかかることがある。死んだら死につづける必要ないのに、生きるには生き続けないといけない。大 仕事だほんとに。お金を稼いでる人も稼いでない人もどっちも忙しい。彼も忙しそうだ。昨日も忙しかっただろうし、明日も 忙しいだろう。おつかれさまです。

お昼過ぎに瀬波温泉につく。海水浴場もすぐ近くにある、大きな温泉街だった。お盆は賑わっていたんだろうけど、いまは人 もすくない。少ないけどそれなりにお客さんもいる。でも十和田湖周辺みたいに潰れたホテルの廃墟が目立つってことはない けど、なんとなく観光客も人口も減ってるんだろうなって雰囲気はある。それが普通で当たり前のことだ。まちのいたるとこ ろに煙突があって、白い煙がもくもくしている。龍泉という銭湯でお風呂に入った。露天風呂が3種類もあった。お風呂から でてロビーのベンチに座ってたら女性に
「違ってたらすいません。村上さんですか?」
と話しかけられた。びっくりした。彼女は、僕の家が銭湯の前に置いてあることにも気がついてなかった。いま僕が村上市に いるってことだけ知っていて、それで僕の顔だか服だかを見て話かけてきた。嬉しかったけど、「うわあ油断できないな」と も思った。聖籠町というところのぶどうを食べてみてと薦められた。
そこで敷地の交渉をしてオッケーをもらった。今日の敷地は温泉の駐車場だ。間取りは、トイレ(コンビニ)までは徒歩9
分、お風呂(ただし9時~21時)までは徒歩10秒、台所(海水浴場)までは徒歩10分て感じ。今日から間取り図を書いていこうと思う。

夜、台所兼海水浴場を散歩した。とても暗い。海は見えないけど、波が立ったところが白くなるので、白い線が生まれては消 えていくのがみえる。砂浜で花火をしている若い男女のグループがいる。海の家の跡地(単管で組まれた屋根だけの大きな空 間)がたくさんあった。夏の終わりって感じがしてすこし寂しい。そのなかにひとつだけ、電気がついてるところがあって、言 ってみたら中で黒いタンクトップを着た人が寝転がってテレビをみていた。壁が一切無いので、僕が歩いてる波打ち際から丸 見えだった。彼の生活を劇場でみているような気持ちがした。
夜、寝室(家)に帰ってきて窓を閉めようとしたら、手にぬるっとしたものがあたってびっくりした。ナメクジだった。あと 屋根の上にはアマガエルがいる。中に入ってきて、寝返りうって潰したりしたら嫌だなと思って追い払った。昨日はコオロギ の子供がやたらたくさん家の中に入ってきて、たまに顔にジャンプしてきたり。いつもアリの行列の通り道には家を置かない ようにしているけど、その他の虫達がはいってくるのはどうしようもない。

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Posted by satoshimurakami