0928

今日からまた歩き始める。足が重い。松代に2週間以上留まった。自分の寝場所も家の置き場所も確保された状態での2週間で、展示に来たお客さんと話すのも他の作家と話すの も楽しかった。刺激的だけど、とても楽な日々だった。環境が安全すぎて飲酒量が増えたりして、いま僕は何もしていないから世界に存在していないなんて思い悩むこともあって、それはそれで辛くて、バイトしてたころの気持ちを思い出したりしたけれど。展示の撤収が終わってから昨日までなおこと松本で遊んだ。松本は彼女が7年くらい住んでた町 らしい。僕は半年以上前の彼女を知らない。行きつけの喫茶店とか知り合いのお店とか高校からの友達とかいろいろ紹介されて、紹介されるごとに 「どこにお住まいなんですか?」 って聞かれて返答に困ったり。そういうの全部が楽しくて、楽だった。楽しいと楽って同じ字なんだな。これからまた歩き始めるということに対して全然現実味がない。
それでも歩き出したらなんとなく軌道に乗っていくもので、松代から須坂市を目指して歩いてたら頭がすっきりしてきた。この2週間のおかげでやるべきことがすこしクリアにな った気がする。迷うことに対する迷いを消したいと思った。「答え」とかを出さないように気をつけようと思った。答えは出すよりも出さない方が難しい。考えつづける方が精神 力がいる。それに負けて何かとすぐに決めつけたり、迷いを消したりしようとしちゃうんだけど、そうならないように気をつけようと思った。だからずっと気持ち悪いし、表現と してはだめなのかもしれないけど。迷いとかあったら人に伝わらないのかもしれない。「これは間違ってる!」と言う方が「これは間違ってるかもしれないし、間違ってないかも しれない…」と言うよりも強くて伝わりやすいのかもしれないけれど。それでもいいと思った。
「これは間違ってるとも間違ってないとも言えない!!!」
と大きな声で言えばいいのだ。いま僕はそれをやっているつもりだ。

歩いてたら目が乾いてひりひりした。大嶽山が噴火したので、その火山灰的なものが空気中に飛んでるんだと思う。東京にいる友達も 「洗濯物ははやく取り込もう」
とつツイートしていてた。火山灰の影響があると観られるのは○○と△△です。みたいに報道されてたけど、そういうの見て安心しちゃいけないんだな。とそのツイートを見て思 った。彼は車に薄く粉が積もってるのを確認したらしい。ニュースを見て安心しちゃうとそういうことをやらなくなっちゃうな。なんとなく、新潟で出会った余命半年と宣告され たおじちゃんのことを思い出した。大昔のことみたいに思えるけど、まだ3週間くらい前の話だ。元気だといいな。

須坂の福田さんの家に6時ごろ着いた。いつの間にか日がとても短くなっている。6時にはもう真っ暗。福田さんは松代に行く途中のコンビニで出会った人で、親が住んでいた家 がまるまるあいてるからいつでも泊まりにいらっしゃいと言ってくれた人。あったかく歓迎してくれた。旦那さんの仕事は自動車工場で、趣味はミニカーを集めることらしい。数 百台のミニカーが寝室に並べられてた。ちなみに先祖は村上水軍らしい。僕のルーツもどうやら瀬戸内海なので、遠い親戚じゃないか。そう思ったら一気に親近感が湧いた。

空き家の2階に泊まらせてもらったんだけど、家具がなにもないのに生活感が残っている部屋の感じがちょっと不気味に感じちゃう。松代に行く前よりもサバイバル力が弱まってる。

家を置かせてもらったところの写真撮るの忘れた。

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Posted by satoshimurakami