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フリーWIFIが飛んでいるところでパソコンをいじってたら、従業員らしきおじさんから
「ちょっと話しかけてもよろしいですか」
と声をかけられた。
「あの家を背負ってらっしゃるんですよね。うちの者がテレビでみたことあると言っていて」
そういえば昨日も別の人から「テレビでみた」と言われた。でもめざましテレビアクアは関東ローカルのはずだし、新潟で見られるようなテレビに出た覚えがない。僕の知らないところでテレビに映ってるとしか思えない。そのおじさんは僕の話をものすごく低姿勢で聞いたあと、上越市の高田と呼ばれる地区が面白いかもしれないから行ってみてください、と地図を渡してくれた。雪が多く降る地区なので、家のひさしが全部つながって歩道に屋根をかけてるのが面白いと言っていた。

10時頃あらいの道の駅を出発して、おじさんが教えてくれた高田の方へ歩きはじめた。県道63号線の歩道でモンキチョウがたくさん飛んでいた。数メートルごとにいた。地面に倒れてるやつも数羽いた。倒れてて起き上がろうとがんばってるけどうまくいかないやつがいて、まわりを応援するみたいにパタパタと飛んでいるやつもいた。誰かと一緒に
「見て!チョウがチョウを応援してるみたい!」
って騒ぎたい気持ち。大学生時代にやってた散歩サークルのことを思い出した。「東京もぐら」というサークルで、歩数だけ決めて複数人で散歩をして、写真を撮りながら町をアテもなく歩きまくる。誰かがその歩数に達したらその日は終了。次回はまたそこから歩き始める。っていうルールで確か5回くらいやった。東京の実態がつかめないまま日々生きてる感じがして、駅から駅に移動するのがまるでチャンネルを変えてるみたいに見える。「たけコプター」よりも「どこでもドア」が欲しい社会になってるから息苦しいってのは、今でも思っている。今考えるとシチュアシオニストの真似をしてた。僕は当時からシチュアシオニストが好きだった。またみんなで東京をアテもなく散歩したい。そういえばこのあいだ松代で石田君からギードゥボールの最初の本の話を聞いた。本の表と裏の表紙がヤスリ仕様になっていて、本棚からその本を取り出すとき、両隣の本を破壊するようにできていたらしい。かっこいい。

道の駅のおじさんに教えてもらった高田という町のドラッグストア前のテーブルがある広場で、2人組の女子高生を眺めながら休憩した。すこし離れたところに男子高校生が一人で座っていた。彼はそわそわしているに違いない。そのあと3時頃に直江津のあたりまで来た。「七幅の湯」という銭湯を見つけたのですぐ入った。昨日お風呂に入れなかったから気持ち悪かった。

530円だった。温泉ではないけど、いろいろな種類のお風呂やサウナがあって楽しい。あと「サウナ室内で高温の熱風を浴びて大量の発汗を体験しよう!」みたいなやつとか色々イベントをやっていて、大きな休憩室もあって、銭湯の中が小さな町みたいだった。そこの店長に敷地の交渉をしてみた。

僕が写真とか見せながら説明してるあいだ、彼は1つも相づちを打たなかったので「ここはだめそうだなあ」と半分諦めながら説明し終わったら。一呼吸おいて彼はポカンとしながらも「ふふふふ」って笑い出して、僕もつられて「ふふふふ」って笑い出した。この感じは好きだ。
「個人的には応援したいんですが、わたし一人が許可を出したところでなあ。他の従業員が驚いたりしそうで。このあたりは朝までずっと明るいし、朝も早くから人が来はじめますけど、いいですか?みつかったら吊るし上げられると思いますけど(笑)」
と言われた。
「近くに似たような銭湯があって、そこのほうがまだいいのかなあ。うーん。どうしましょう。」
って感じで一緒に考えはじめてくれた。
「宿泊はちょっとなあ。家だけ預かるってことなら協力しやすいんですが。」
と言ってくれたので
「そしたら家だけ預けてもいいですか」
と言った。
「個人的には応援したいんですが…。すいません。そしたら家は預かります。」
良い人だなあ。

僕は歩いて30分くらいの「快活クラブ」っていう漫画喫茶に行って寝ることにした。このパターンは秋田市のホテル以来。こういうときの間取りは面白いことになる。僕の家は銭湯にあるけど、寝室はそこから徒歩30分のところにある。じゃあこのとき銭湯に置いてある「家」ってなんなんだ。

いま快活クラブからこれを書いてる。店の中には、小さな音でBGMとして森の中っぽい感じで鳥の声が流れてる。もうこの鳥の声にも馴染んだ。




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1001 | 2014 | 未分類 | Comments (0)

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