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「滋賀県は大阪からみたら環境大国っていうイメージがあるなあ。合成洗剤を琵琶湖に捨てないように生活を考えるとか。あと、ここらは 30キロ圏内に原発銀座もあるしな。」
って奥さんが話してくれた。琵琶湖は日本で一番大きな湖だけど、全部滋賀県におさまってる。滋賀に住んでる人の意識の中では、土地の 中心には琵琶湖があるんだろうな。いま自分がいるのは琵琶湖の右か左かっていう感覚なんだろう。西は田舎、東は都会っていう感じらし い。中心にこんなでかい湖があったら、環境問題に関して自覚的になるのもうなずける。

お昼頃、旦那さんにトラックで安曇川の道の駅まで送ってもらった。もう3時になってたので道の駅で敷地の交渉をしてみたら
「申し訳ありません。テント等も全部禁止させていただいてるんです」
と、丁寧に断られた。もうすこし歩いてみようと思い、湖沿いを南下する。空は曇っていて、だんだん日も落ちて暗くなってくる。湖を見 てると、水平線と空の境界線が曖昧で、白い奥行きを持ったぼやっとしたものが目の前に浮かんでるみたいに見える。十和田湖でも思った けど、曇り空の日暮れ前の湖はすごく奇麗だ。でも琵琶湖は十和田湖とは比較にならないくらい大きい。向こう岸がほとんど見えない。そ のぶん妖しさがある。道路にどれだけ電灯を灯しても照らしきれない奥行きがある。湖は海と違って、土地にあいた穴みたいなものだか ら、その独特の不気味さがある。ちょっとこの世から外れた景色が広がってる。こういう場所が家の近くにあるのは羨ましい。BGMはRadioheadのReckonerがいい。
https://m.youtube.com/watch?v=rOoCixFA8OI



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歩いてたらちょっと町があったので、お寺を探してみた。一軒目のお寺で奥さんが出てきた。事情を説明したら、半分笑いながら
「ちょっと待ってね。ちょっとちょっと、なんか変な学生みたいな人が来たからちょっと話聞いてよ」
と言って奥に引っ込んでいって、住職さんを連れて戻ってきた。関西っぽいリアクションだ。住職さんにも説明したら、了承してくれた。近 所の人(自治会長っぽい)も来て、4人で軒先ですこしのあいだ話し込んだ。
「どこの大学をでたのか」「どこの生まれなのか」「親は心 配してないのか」等等聞かれて、答えてるうちに打ち解けていった。すごく人懐っこい人たちだなと思った。奥さんが
「敷地貸したら、今度トイレ貸してとか言わないでしょうね!?」
って笑いながら言う感じ。住職さんは
「展覧会の案内を送ってほしい」
と言って名刺を持ってきてくれた。
「このあたりは風が強くて、雪も積もるんだ。今はそんなに積もらなくなったけどな。」
「昔は家の中で冠婚葬祭を全部やってたから、ふすまを外せば大きな広間になる家が普通だったけど、今はそれじゃ不便ってことになって しまったからなあ。家のつくりかたも、阪神の震災の時から法律も変わって。壁がないと駄目とか。地面と家を固定してしまうけど鉄と木 だから10年20年で錆びる。昔からある家は、家をのせて重い瓦で押さえつけてるだけだ。」
などなど話をしてくれた。
「わたしは本願寺につとめてるから、京都に来たら本願寺も来てみるといいですよ」

家を置いたあと、湖沿いを散歩してみた。もう日が沈んでいて、どんどん暗くなって足下が見えなくなってくる。釣り人がたくさんいる。 何故か地面に、ブラックバスらしき魚の子供が数匹捨てられてた。まだ生きてるやつもいる。苦しそうにしてる。たぶん誰かが釣ったやつ だ。なんでこんなところに捨てられてるんだろう。ブラックバスはもともと外来種で、なんでも食う上に繁殖力もあって、日本の生態系を 荒らすっていう良くないイメージがある。ただ食いつきが面白いから釣りの対象として人気がある。どうやら琵琶湖では、釣った外来魚を 湖に返してはいけないっていう決まりがあるらしく、ほかにもブルーギルとかが普通に路上に捨てられてた。生態系を荒らす存在とはいっ ても、彼らは人の手によって本来あるべきじゃない場所に持ってこられただけで、いまこの路上に捨てられている一匹をみていると、こい つを苦しめていい権利が人間にあるのかってすごく思った。この命の扱い方というか、在り方が許せない。釣ったバスはなんとしてでも食 うとか。なんかないのかな。なんでこいつらは、こんな死に方をする生き物がいていいわけがない。しかしこの怒りの対象がわからない。



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1109 | 2014 | 未分類 | Comments (0)

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