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フェリー「さんふらわあ」

朝に大分に着いて、まず去年大分で展示した時にお世話になったカフェギャラリーの「the bridge」に行った。フンドーキンていう醤油メーカーの倉庫を改装しためちゃお洒落なお店で、いつも結構盛況。裏さんていう人がオーナーなんだけど、あんまりお店にいない。彼は大分でいろいろなイベントに関わりまくっている。彼が全部でいくつのプロジェクトに関わっているのか分からないし、いつも何をやっていてどこに住んでるのかもよく分からないし連絡もつきにくい。面白いことの実現のためのお金をどうやって集めるかをいつも考えて動き回ってるイメージ。その裏さんをアテにして来たんだけど、予想通り連絡がつかないので、家をお店の前に置いてふらふらと散歩した。
大分は雪が降っていて、神戸よりも寒いんじゃないかっていう感じだ。the bridgeがオープンした頃に店に戻って、本田さんていうスタッフと1年ぶりに再会した。本田さんも
「裏さんは今日店に来てなくて、全然分からないんだよね」
って言ってた。お店でコーヒーを頼んで絵を描いたりしてたら、本田さんがお昼ご飯を出してくれた。

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ブリッジのごはん。グラタンやハンバーグや漬物や味噌汁や卵焼きやハマチの刺身

ご飯食べてたら、フェイスブックで僕と繋がってる大分在住の池辺さんていう人が、森さんていう彫刻家の人と一緒に現れた。そこから成り行きで、池辺さんの車に乗って3人で大分をまわることになった。
それで児玉さんっていう80歳の画家の人の家に連れていってもらったんだけど、その児玉さんがかなりぶっ飛んでる人で、話を聞きながら脳みそが刺激されっぱなし。会ってすぐに
「連絡先を書いてくれ」
と言われたので、名前と電話番号を書いて
「住所がないので電話番号しか書けないんです」
って言ったら
「そうか。家はあちこちにあるからな。近くの倉庫もあいてるからな、そこ泊まっていいぞ」
という言葉が返ってきた。まだ何も説明してないのに。とにかく言葉が途切れない人で、手元にある紙に鉛筆で言葉や図や、なにか円みたいな絵を書きなぐりながら、ずーっと話しつづける。話が次から次へと飛躍するんだけど、その飛躍の仕方はでたらめじゃない。自分が発した言葉が、言葉遊びをするみたいに別の言葉につながって、そのまま別の話題に移る。
「生きるっていうことがアートやからな。修行せなあかん。修行ってのは、滝に打たれることだけじゃなくて、毎日生活するっていうことが修行や。働くことも修行やし、働かないで暮らすのも修行」
みたいなことを言ってた。隣には奥さんがいて、ほとんど動かずに静かに彼の話を聞いてる。「この奥さんもすごいな」と思った。

夜にthe bridgeに戻ってきて、ようやく裏さんと会えた。僕がやっていることの説明をして
「もう身体が年末モードになっていて、移動する気力が起きないので、年明けまでここに家を置かせてほしい」
っていう相談をしたら快諾してくれて、しかも
「ブリッジで皿洗いのバイトするか」
という提案をもらった。それも面白そうだと思ったので、年末実家に帰省するまで夜はブリッジで働くことになった。そのすぐ後から22時半くらいまで働いた。店内の整理をしたり掃除をしたり。

その仕事の後も1年ぶりに人と再会したりして、もう1日中ばたばたして、今朝大分に着いたとは思えない。

長い1日が終わって自分の家に戻ったら「頑張ってください。冷めてたらごめんなさい」っていう手紙と一緒に、すっかり冷たくなったココアが置いてあった。

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Posted by satoshimurakami