0822/村上の家(岩手県陸前高田市高田町字鳴石) | 

  
土地

  床下
松崎萱のバイク屋さんからトラックで家ごと運んでもらって、陸前高田まできた。まずは佐藤種屋へ。種屋さんとは去年一度会っただけだけど、どれだけ元気をもらったかわからない。

高田も盛り土の山が増えていた。なんとなく、去年よりも街全体に余裕がなくなっている感じがした。そこにかつてあった町を想像するのも難しい。重機が動いていて、景色は茶色で、海も山も盛り土に阻まれて見えない。大きな生コン工場にいるみたい。佐藤種屋ももうなくなってるかなと思った。向かいにあったファミリーマートも土の山に変わっていたけど、種屋はまだあった。

お客さんが結構頻繁に出入りしているけど、佐藤さんともすこし話せた。僕のことは覚えていなかったけど、会ってすぐに「トマトは体に良いって知ってるだろ」と言って、店で育ててるトマトをくれた。そして「あの兄ちゃんにもあげよう」と言って、店の前を通りすがったお兄さんにもトマトをあげてた。
「まだ佐藤種屋あってよかったです」

と言ったら佐藤さんは

「でももう無くなる。ここも土に埋まるんだ。来年には無いぞ。ああ、死にたくなった。」

と言って笑った。

「東京の連中はもう復興が終わったと思ってるんじゃないか?なーにがオリンピックだー」

とも言ってた。
種屋を出てすこし歩いて、去年花壇があった場所まで行った。近所の住民の人たちが手作りで広げていった花壇。そこで知り合った人(こっちも佐藤さんという)が話すには「あそこにいけば誰かいるだろう」「行かなくても、あそこには誰か居るだろうと思えるだけで良い」と思える場所だった。その花壇も撤去されて土に埋められてた。

佐藤さんの家で、2014年の1年間撮影し続けてきた花壇の写真のスライドショーを見せてもらった。なんの予備知識もなく見ると、綺麗な花の写真と、それを手入れする人たちのほのぼのしたスライドショーに見えるんだろうけど、去年一度花壇を見ていて、今年それが土に埋まっているのを知っているというだけで、凄まじい映像にみえる。

嵩上げの工事も、花を植えるのも、土をいじるという点で同じことをやってるんだけど、花はショベルカーでは植えられないし、スコップで嵩上げ工事はできない。土を体積としてしかみなさず、何十トンていう単位で運んでいる復興工事と、土を花を育てるためのものとしてみなすのとでは、接し方が全然違くて、それがすごく大切な違いに見えて胸が締め付けられる。ショベルカーですくってダンプカーで運ぶ土と、手ですくう土は同じ土ではない。このスライドショーを人に見てもらいたい。

今日の敷地はその佐藤さんのアパートの脇。

0822/村上の家(岩手県陸前高田市高田町字鳴石) | 2015 | 未分類 | Comments (0)

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