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ここ最近、奈保子がお店をひらくために借りた松本市の物件の修復を手伝っている。その物件は古い2階部分では築140年にもなる。古い部分を見ていると、建てられた当時と現代の地震に対する備えかたが全然違うことがわかる。家全体が揺れて、土壁が崩れることで地震エネルギーを吸収するようにできている。いま生きている僕たちの頭は、現代向けにカスタマイズされたものなので、いまの頭のままで耐震補強をしようとすると、その補強部分だけにエネルギーが集中してしまって、壊れてしまうこともあるという。だからこの物件においては「土壁がもろすぎる」のではなく「構造用合板が強すぎる」と言うべき。

他にも玄関入ってすぐの土間の床には謎の蓋がある。開けると水が流れそうな管につながっている。最初に蓋をあけてみたときは「古い排水溝がのこってるのかな」くらいにしか思わなかったけど、どうも土間が臭いなと思っていた。その臭いがいつまでもとれなくて、すぐそばにトイレがあるので、ある日「まさか」と思ってトイレにトイレットペーパーを流してすぐに蓋を開けてみたところ、そのトイレットペーパーが排水管を下から上に流れていった。この排水管はトイレと直結していた。これは近代が覆い隠したものだ。今ではめったに見られない。僕たちは人間の便の臭さとか、動物としてのにおいとかを隠して、無臭の世界を作ろうとした。良いとこのトイレにいくと便座から立ち上がった瞬間水が流れたりして、見ることが叶わないまま自分のうんこと別れるハメになったりする。

土間がくさいのは、人間の便がくさいからなので、臭くて正解だ。なので「土間が臭い」と言うべきではなく「土間以外が臭くなさすぎる」と言う方が正しい。

0121522 | 2016 | 未分類 | Comments (0)

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