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惨めに帰って来た。敗者だ。ベックのLoserを聴きながら帰って来てしまった。惨めだ。ベルリンの雰囲気に負けた。街に負けた。一人でやるのが、こんなに勇気がいるようなことだとは、よく考えてなかった。人にカメラのそばについて撮影してもらってするのと、一人でカメラを三脚で立てて録画ボタンを押して、するのとでは全然違う。一人でやるのには、マジで勇気がいる。清掃員は、これまで3回くらいやっているけど必ず誰かに撮影してもらっていた。その撮影者の存在が僕を後押ししてくれていた。味方になってくれていたから。これは、結構面白いポイントかもしれない。世の中には、こうやって公共の場所で何かやってそのビデオを作品ぽくする人もたくさんいるんだろうけど、その中の何割が、マジで一人でやった経験があるだろうか。銀河が奥多摩でドラムを叩く様子を一人で撮影してyoutubeにあげまくっていた「Okutamountain」を思いだす。あれを超えるにはまじでこのベルリン(なぜかベルリン)で一線超える必要があるのだ。今回は撮影者はいない。カメラの盗難の危険とかもあるんだけど、まあ1分とかだし(この1分を捻出するのに、何時間もかけてベルリンの街を歩き回ったあげく、結局捻出できなかった。ブコウスキー流にいうと「すべての時間を無駄にしてしまった」)、大丈夫だろう。怪しいやつがカメラに近づいたら中断して追いかければいいだけだ。結果的に、ベルリンのアレクサンダープラッツの周辺を何時間も歩き回ることになった。昨日あんなに汚かった広場は、今日みたらすっかりゴミが片付けられていた。あれを片付けるのは並大抵のことではない。明日こそはやらなくてはいけない。やらないと、もうベルリンでやるチャンスはない。まさか初一人清掃員アンド撮影がベルリンだとは考えたこともないけど、もうやるしかない。どうかできますように。初めてがベルリンとはなかなか面白いかもしれない。こうやって文章を書いていると

Posted by satoshimurakami