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必要とされたらすぐにやめなくてはいけない。と書いたことがあるけどそれはあながち間違ってないんじゃないかと思っている。基本的に「人から頼まれる仕事」はこれまでの”実績”を踏まえられて”何かしらの役にたちそう”なものを求められることではじまる。なんというか”ある一定の枠組みをもつ認識の中側からしか生まれてこない”のが”人から頼まれる仕事”だ。ミステリー小説の真髄は、ミステリー小説とされる本の中には存在しないと、居島さんが言っていたけど、これと同じだ。何がクリティカルでラディカルなものなのか。本当に制度そのものを扱おうとしたら、その制度そのものをメタに扱うための土台を永遠につくらないといけないことになる。達成されない。つまり仲間がいない。見渡しても今生きている人では一郎さんくらいしか知らない。荒川さんは死んでしまった。基本的にみんな、どこかでなんらかの制度内で一番上を目指すということを考えてしまっている。それはもちろん「人から頼まれる仕事」で生きるには一番良い方法なんだろう。”仕事”とされるものは、ある種のルーティンとしてしか成立しえない。蓄積がものを言う。すごく砕いて言うと「”自分がやるべきだと思ったこと”が仕事になった瞬間”自分がやるべきだとは思えないこと”になってしまう。この究極のジレンマ。どこに行き着くのかわからん。とりあえず当面は難しいことは考えないで、やるべきだと思うことをやり、それを変に当てはめなければいいだけか。しかし専門性とはかけ離れていく作業だ。つらい。僕は何かを蓄積してこれただろうか。つらい。これは考え始めると絶望的になるに違いないのであんまり考えないようにする。というか考えても不毛なことだ。やることが変わるわけではない。28歳にもなってまだこんなところにいる。本を読もう。当面はアーレントとソンタグと岡崎祥久と保苅実と小川さやかを。オーウェルのカタロニア讃歌もまだ読み終わってなかった。人から勧めてもらった本はなぜか大抵面白い。

(06040259追記)あとブレヒトも。

Posted by satoshimurakami