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昨日から、長い間家を置かせてもらっていたイケザワさんの家をついに出て、上通りの地獄温泉向いの更地に家を動かしてそこで寝泊まりし始めた。

「夏休みアトリエ菜園計画」開始。

この更地は、熊本をぷらぷらと歩いていたらたまたま見つけた更地で、なんとなく良い雰囲気だなと思っていたら美術館の職員の友人の親が持っているものだとわかり、少しの間使わせてもらえないか聞いていたらすんなりオッケーしてくれた。もともと自動車整備工場だったビルの跡地。毎年行われる藤崎宮の大きなお祭りがあり、その青年部の人たちや地域の人たちが集まる公民館のような場所だったという。今年3月に解体し、来年4月からは新しいテナントビルを建てる工事も始まるらしいので、いまはちょうどその空白期間。熊本にはこういう更地がたくさんある。地震でダメージを受けた建物を解体した跡地。地震で破損した建物の解体には行政がお金を出してくれる。「更地が多いですね」と言うと、みんな「今はちょうど建て替えの時期だからね」と言う。

この敷地に今月いっぱい滞在して、一昨日ホームセンターで買ったブルーベリーを育てながら、大きなドローイングを描いたりして過ごすことにした。白い防炎シートに養生テープを貼り、その上にマッキーで描く。たぶん地図のようなドローイングになる。

今日はお昼すぎくらいから外作業を開始。家の上に屋根をつくるべく、美術館でもらってきた木材を切ったりつなげたりした。今の僕の家は土砂降りが来たら多分耐えられない。熊本はスコールがよくある。更地にはスコールからの逃げ場がないので、自分でつくるしかない。角材を三角に組んだだけの簡単な骨組みにブルーシートを打ち付けた。屋根が必要のないときは骨組みの上部に巻いておける。風で飛ばされないように、同じ敷地から拾ってきたコンクリートブロックや大きな石や瓦礫のようなものを重しにした。それが終わった後、ドローイングを書くためのボードを作った。ベニヤ3枚分の大きさ。作業としては大したことないはずだがへろへろに疲れた。途中、汽水社のサトーさんが覗きに来た。

熊本は馬鹿みたいに湿度が高い。今年は特に暑いらしい。暑すぎて無理だと思った時は屋内で本を読む。今福さんの「スポーツの汀」と「書物変身譚」。汀の話がとても興味深い。何年か前に大きなスーツケースを持って駅の階段を不恰好に降りていた女の人を思いだした。どうしようもなく有限な身体のサイズと、それを取り巻く生活や社会の大きさとの落差が、ちょっと滑稽な様相を呈する。僕が家を背負って歩いているのと似ている。経済と体の汀が労働だとすると、アリスの写真作品に写っている風船売りや、行商の人々(特に一昔前の、やたら大量のものをリアカーに積んで売り歩いていた人々)はサーファーだということになる。この辺がとても興味深いし、なにか大事なポイントがあるような気がする。東京でお話しするのが楽しみだ。

晩御飯は、更地の目の前にあるPAVAOという店でカレーを食べた。汽水社のサトーさんに「カレーうまいっすよ」とすすめてもらった。熊本の楽しい人たちが集まっている。ここ数日よく道端で会っていた長崎書店のサイトーさんもいた。彼は松本のギブミーリトルモアでも何度かライブをやったことがあるというケバブジョンソンというバンドのドラマーだった。新美くんの名前が出て来て驚いた。ここは熊本なのに。音楽はどんどん越境する。

明日からドローイングを描きはじめる。明後日から5日連続で天気予報が雷マークだ。心配だ・・。。

Posted by satoshimurakami