4月5日(15日目)

昨夜、カーテンを閉めて寝たにもかかわらず、今朝も6時ごろには起きてしまった。曇り空。7時半くらいまでごろごろして、8時25分のバスで教習所に行った。バスの人数も減って来た。新年度が始まっているのを感じる。年度と年度のあいだに混みあうのが教習所なのだ。

今日は、2時限目から2時間連続で高速道路の運転教習だった。三人グループでやると聞いていたけど、二人だった。人数が減ってきたからだろう。そういえばこのあいだの路上停車教習も三人と言われていたのに二人だった。高速教習を受けるもう一人は時々見かける、いつもスターウォーズのトートバッグ持ってる女の子だった。100キロで走るのは、大変神経を使うことがわかった。少しのハンドル操作が車体に大きく影響する。集中を要するので、ハンドルを片方放すとかはできなさそうだ。高速を走ってる最中に雨が降り出してすこし焦った。ワイパーを動かしたんだけど、雨が止んだ後もワイパーが動きっぱなしだったことに気がつかず、助手席の教官が黙ってワイパーを操作してとめてくれた。

雨がやむ。という言葉からは、「時間でやむ」という連想があるけど、高速道路を走っている最中に車に雨が降らなくなることも、雨がやむでいいのか?時間と空間は切り離せるものではなく、ここには「時空」というものがひろがっているのだと考えるのが相対論の前提らしいけど、時空というのは「高速で走る車のなかで、雨がやんだ」というようなことだろう。

高速教習の後、もう一回マンツーマンで一般道の路上教習があった。そのさい、花鳥園の前を通りかかった。塀に、たくさんの鳥や鳥と遊んでいる人たちの大きな写真がたくさん貼られていた。とても楽しそうだ。

そのあと、人でごった返すこともなくなった食堂でご飯を食べて、午後に2回目の模擬テストを受けた。95点だった。これで2回合格したので、卒業検定を受けられる。いよいよ明後日には卒業検定だ・・。テストの後はさっさとホテルに帰った。曇り空だけど、雨は降ってない。

晩御飯はタルタルソースっぽいものがかけられた唐揚げだった。僕と同じ日に入ってきたオートマ限定の人たちが今日卒業していった。ホテルのラウンジというか食堂みたいなスペースは、僕がここに来た日と比べると、大変閑散としてしまった。猿でも屍でも、いなくなるとすこしさみしい。ぼくの他に4人いるだけだ。二人組の女の子が僕のすぐ後ろで話していて、まわりが静かなので丸聞こえだった。

「あの子おとなっぽいよね。二十代後半かと思った。」

『えー!それはないっしょ。』

「同い年って実感ない。あの子、どう?」

『うーん』

「かっこいいよね。タイプじゃないけど。」

『タイプじゃないんだ』

「まわりの女の子、すごいよね。女の子から話しかけるって。私そんな勇気ないわ。誰かいる?かっこいい人』

『うーん。こっちにきてからってことでしょ?・・さっき話してた子かっこいいと思うけど。わたし人の顔すぐ忘れちゃんだよね。学校ではよくみるけど・・』

「ホテル違うからね。会わないよね。・・・ナンパしちゃえば、とか言われたんだけど。逆ナンてすごくない?!そんな勇気ないよ。相当だよ逆ナンて。このホテルに泊まってるさ、ヨーロッパのハーフの子がさ、女の子と手繋いで歩いてるのみたんだよね。コンビニ行ったときにみたんだけど、わたしがみた途端手放したんだよね。バレたくないんだろうなと思って」

などなど、大変楽しそうにしている。彼らはマジで修学旅行みたいな感じで合宿免許に臨んでいる。というか、そういう臨み方しかできないんだろう。しばらくして彼女たちは「お風呂はいろ。はいった?」などと言いながら部屋に戻っていった。

昨日から今日にかけて、講習のあいまの空き時間やホテルに帰ってからの時間で

・プライベートライアン/スピルバーグ

・ターミナル/スピルバーグ

・300スリーハンドレッド/ザックスナイダー

をみた。300以外は一度見たことあるけど、完全に忘れていた。ターミナルは何度も泣いたけど、違和感もあった。

もう何年も、タイトルもストーリも思い出せないけど強烈に頭に残っている映画があって、多分映画のクライマックスあたりで、背が高くて天井がない観光バスみたいなものに少数のオーケストラが乗っていて、走りながら「威風堂々」を演奏するというシーンだけ覚えているのだけど、ずっと思い出せない。あれはなんていう映画だったか、、

Posted by satoshimurakami