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釜山最後の瞬間はバタバタだった。昨夜は釜山現代美術館の館内に家を置いて眠り、今日のお昼は「あなたのスタミナのために」と、釜山現代美術館の館長とキムさんとアーティストのジンさんがカルビタンをご馳走してくれた。美術館からピックアップトラックでジンさんに家を釜山国際フェリーターミナルまで運んでもらい、ジンさんとはそこで別れた。ジンさんはイングランドのチェルシーカレッジで彫刻を勉強していたらしい。イングランドに六年くらい住んでいたようだ。鉄とは何かを考えながら、彫刻作品と作ったり、彫刻作品のような楽器を作ったりしながら、ミュージシャンにもなりたいと思っていた元プロバドミントンプレイヤーの彫刻家。ガタイが良くて、野太いハスキーボイスで色黒で、快活かつとても思慮深い最高の人だった。また会いたい。家が一部壊されながら(その部品はミリさんの提案でキムさんにプレゼントした)も、どうにか船に積み込むことができた。3万ウォン取られた・・。大阪で税関を担当していた男と同じ人じゃないか?というくらいそっくりなオーラを纏い(同じ仕事をしている人間は年月を経るごとに似てくるということだ)、同じような大きさのテーブルで仕事をしている男にカードで3万ウォンを払って、キムさんとミリさんと別れ、バタバタと船に乗船した。1ヶ月前に大阪で同じ船に乗ったはずだけど、あの時に比べて僕は確実にフランクな人間になっている・・。韓国の力か旅行の力か。手元には現金でウォンが4100ウォンほどのこっていて、どう使おうか港で迷って缶ビールを買おうとしたが船の中でなにか帰るだろうと思って買わなかったのが正解だった。いま大きなプラカップにいっぱいそそいでもらった生ビールを飲みながらこれを書いている。3時から5時まではハッピーアワーで3000ウォンだという。あと1100ウォンある。何かに使えるだろうか。

船は快適だけど一つ心配なのは同じ部屋の韓国人のタンクトップで短パン姿のカラフルなおじさんがちょっと面倒臭そうだ。同じ部屋だからと思って挨拶程度に少し話したら「大阪に行ってショッピングをします。嬉しいです。成人製品をいろいろ買うつもりです。」というテキストをiPhoneの翻訳アプリで見せてきて、笑っていた。読み上げ機能も併せて。

Posted by satoshimurakami