03122010 | 

 信濃町駅から四谷駅に向かって坂を上がったところにある、とある浄土宗のお寺の境内にいる。静かだ。いま外で住職さんが入り口の門を閉めている音がする。今日の敷地には門限がある。「移住を生活する』としては史上初めてかもしれない。門限は20時だった。ここに家を置く許可をもらったのは17時半で、そのときお寺の門が20時で閉まることを伝えられ(ちなみに明日の朝は6時には出るようにとも言われた)たので、急いで行動する必要がある、ということで、まずはiPhoneBooking comをひらいて今日ずっと一緒に撮影をしてくれた涼ちゃんの宿を四谷三丁目駅近くで確保し、近くに風呂場がないかグーグルマップで探し、塩湯という銭湯が歩いて10分弱のところにあるのを見つけ、1748分にはそこに入り(470円。昨日の光明泉も同額だった)、体を洗って湯船に浸かって(壁には雪をかぶった山のペンキ絵が描かれていた)、203分のドライヤーで髪を乾かし、脱衣所でiPhoneを出して「四ツ谷 電源 カフェ」と調べて電源とWiFiのある「Burg Holic」というハンバーグ屋を近くに見つけ、1830分には塩湯を出て、道に置かれた小さな箱みたいな物に座りながらタバコを吸って独りごちているおじさんのそばを通って、1840分に店に入り、店員に「電源がある席はどこですか?」と聞いたら「電源席はあるんですが、17時以降はパソコンを開くのはご遠慮いただいてます」「え!そうなんですか。充電はしてもいいですか?」「大丈夫です。英会話とか・・作業でなければ」「そういうのはないですけど、カメラのデータをパソコンに移すくらいはしてもいいですか?」「大丈夫ですよ」というやりとりをして席についてiPhone用のリチウムバッテリーとパソコンを電源に繋いで今日撮影したカメラのデータをパソコンに移し、1パイントのビールとハンバーグとライスを食べてから店のトイレで歯を磨き、1945分には店を出て、1956分(門限4分前)に、要するにお風呂とご飯と歯磨きとトイレを済ませて家に帰ってきた。

 今日はこのお寺に至るまで4つのお寺を交渉してきたがすべて断られた。そんななか5軒目のここで、住職さんが出てきてくれて、ちょっと不審そうな表情をしながらも、こちらの話をちゃんと聞いてくれ、「朝6時くらいまでだったら」「騒がなければ」ということで了承してもらい「夜も20時ごろに門がしまるので」「はい。わかりました。」ご飯は?」「食べて、ここに帰ってきます20時までに。」「トイレは?」「一応携帯トイレを持ってるんですが、20時から6時だったら大丈夫だと思います。外でしたりはしません。」「トイレは、あそこにあります」と住職さんが境内のトイレを指してくれたので「つかっていいんですか?ありがとうございます」「はい。では、変なことは無しでお願いします」というやりとりをし、上述した怒涛の2時間半を経て今に至る。

 それにしても今年珠洲に行った時にお寺の人から「敷地貸してくれるお寺も、宗派によって違うんじゃない?浄土真宗とかは敷地借りやすいかも」と聞いていたけど、これはちょっと当たっているかもしれない。1軒目のお寺は曹洞宗で、「申し訳ないんですが、檀家寺なので。檀家さんの許可もないと」ということで断られ(でも去り際に「頑張ってください」と言ってくれた)、2軒のお寺も曹洞宗で、とても愛想よく「今住職がいないもので」と断られ、3軒目のお寺は真宗大谷派で、ここは住職らしき男性が出てきて、彼は本当に申し訳なさそうに「申し訳ないんですが、そういうものはお断りしてまして」と断られ、4軒目の日蓮宗のお寺はインターホン越しの交渉で、男性がでたのだけど、ここはなぜかインターホンを押して出た最初の「ハイ」からものすごく怪訝そうな、とても低い声でこちらの話を「ハイ」「ハイ」「ハイ」と聞いてから「ちょっといま住職がいないので」と断られた。「住職がいないので」は紋切り型の断り文句だけど、本当に住職がいないのかどうかはわからないが、そう言われたらとにかく諦めて次に行った方が良い。そして5軒目でここにたどり着いた。本当に良かった。さっきお風呂に入っている時に「これはちょっと楽しいかもしれない」と思った。敷地を借りて、近くでご飯やトイレやお風呂場を探す、というのは、まず楽しい。敷地の交渉は今でも緊張するし、断られ続けると、なんでこんなことやってるんだという気持ちになるけど、敷地が得られると、こんなに良いものはない。とはいえ、別に好きでやっているわけではないので、複雑な状況だ。これは自分がやるしかないことなのでやっているにすぎず、やっている以上は楽しむしかないのだ。

 そういえば、代官山を出発するときにTOO MUCH MAGAZINEのよしむらさん(ぼくはよしむらさんだと思っていたのだけど、後でメールを見返したら「つじむら よし」さんだった。ここはよしむらさんということにする)に、偶然会った。職場が近いらしい。よしむらさんは少ない荷物と洒落たジャージ姿で、代官山が日程た。相変わらずひょうひょうとしゃべくりながら「まだ出発しないのか。まだか」と、僕が出発するのを待っていた。対して、出発前に「お邪魔しました。そろそろ出発します」と挨拶したアートフロントギャラリーの人たちは、「はい。お疲れ様です~」と、普通に挨拶を交わすのみで終わった。やはりアートギャラリーの人たちは普段からアーティストと仕事をしているだけあって、いろいろなことに慣れていて、簡単なことでは驚いたり興奮したりしない。居心地が良い。

あと、そういえば昨日はアーティストの淺井裕介さんがここにきていたらしく、僕が家を離れているあいだに僕の家のポストに個展のDMが入れられていた。久々にポストを活用してくれる人が現れた。しかし写真を撮り忘れたので、


淺井裕介個展

なんか/食わせろ

2020年3月7日(土)ー4月4日(土)


東京都品川区東品川1-33-10

Terrada Art Complex 4F

 今日は距離としては代官山のアートフロントギャラリーからおよそ5キロ移動したくらいだけど、時間にしたら4時間くらい歩いていた。のちに映像にするために撮影してもらいながら移動したので時間がかかった。急遽来られなくなった映像作家のジョンから借りたGoPro2台を自分の身体と家に装着し、涼ちゃんに自分のNIKONのカメラを持ってもらい、計3台で撮影しながら歩き回った。代官山から青山通りまで抜けて、表参道を通り、完成したばかりの新国立競技場のそばを通り、信濃町まで。一人で歩いていると、家とすれ違う路上の人々がどんな表情をするのか全然わからないのだけど、こうやって人についてもらいながら歩いていると、どうやらみんな幸せそうな顔をしているらしい。新国立競技場は初めて見たのだけど、近くでみるととにかくでかい。よくこんなものをこんな短期間で作ったもんだ。職人さんたちは本当に偉い。しかし自慢の木のルーバーが、目から遠すぎるせいか全然木に見えなかった。全体に、軽やかさとかは全くない。今の時代らしくもない。でもとにかく、ここまで作った。ネットではウイルスでオリンピックが中止になるだのならないだの、みんなまるで窓の開け閉めの話みたいに軽く言ってるけど、このでかさは半端じゃない。でもそれを考えると、この競技場が中身が空っぽの存在に思えてきてしまう。ザハの、完了済みの設計案を白紙撤回し(なぜ首相にそんな権限があるのかまったくわからない)、3000億円だった予算は3兆円になり、そしていまウイルスで中止か開催かみたいになっている。いったいなにがどうなっているんだ。最近ニュースを見ていると居心地が悪くなる。なぜか知らないけど首相の一言一言に謎の強さがあり、みんなそれに従っている。この国はいつ法治主義から人治主義に変わったのか。僕は家を動かすしかない。

まずい2217分になってしまった。寝なければ。そして明日は550分には起きねば。突然の健康生活だ。

03122010 | 2020 | 未分類 | Comments (0)

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