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 今日の敷地は台東区橋場のマンションの1階のシャッター付きの車庫の中。昔この近くで「空鼠」と名付けたビルに住んでいた時にお世話になった細野さんという人の車庫。細野さんは空鼠の近所のコンビニのオーナーで、よく賞味期限が切れて廃棄待ちのお弁当を持ってきてくれて、お金のない僕たちはそれで食をつないでいたこともあった。

 一昨日のうちに細野さんに電話していて「敷地を貸してほしい」と頼んだら、自分の車を近くの神社にとめてここを用意してくれた。電話で細野さんに「ご飯はどうすんだ?」と聞かれたので「そのへんで食べます」と言ったら「そんな寂しいこと言うなよ!ご飯食べさせるのが、迎える側の仕事じゃねえのかよ」と言われた。さすが下町だ。

 南千住の山谷エリアにあるSanya Cafeというカフェにいる。昔2年間ほど近くに住んでいたことがある。久々に山谷にきた。このカフェに来るまで、裸足にサンダルのおじさんと何人かすれ違ったし、独特な雰囲気を醸し出しながら鳩に餌をあげているおじさんもみた。ここでは何をやっても許されるような気がする。昔奈良で出会った林業家のおじさんの「人生行き詰まったら山谷にいけ」という話が思い出される。また、浅草に住んでいてお金に困った時、ここの仕事斡旋所の玄関まで行ったけど、結局入る勇気がでなくて断念したことも思い出される。

 昨日は充電タイムが取れないまま寝てしまったので、今日朝起きたらパソコンの充電は残り4パーセント、iPhoneは残り1パーセントで、携帯リチウムバッテリーも充電が切れ、日記を書くためにどこか充電スポットを探さねばと思い、ここを見つけた。ホテルに併設された、そんなに広くはないカフェなのだけど、入ったときに「充電できますか?」と聞いたら快く「大丈夫ですよ」と言ってくれ、入ってみるとWiFiもあり、中庭に喫煙所もあり、フェアトレードの食材を使っており、ストローもプラスチックじゃないし、「思いやりコーヒーメニュー」というのもあって、店に来た山谷の生活困窮者や、「かつて建設労働に携わった元日雇い労働者」や、家がない方にチャリティでコーヒーが送れるシステムもあり、裸足にサンダルでニット帽の近所の常連らしきおじさんがさっきか何度も出入りして店員と話をしたりモーニングセットを頼んだりしているほか、店内を通り過ぎて喫煙所に行ってタバコを吸ってまた店内を通り過ぎて出て行くだけの人もいて、なんだか居心地が良い。ぼくはモーニングセットを頼んで、追加でバナナとブロッコリーのスムージーを頼んで、なんとなく「もうすこしいさせてください」という雰囲気を醸し出しながら日記を書いている。本当に良い店だ。店員さんが二人とも、客に対して、あまりふみこみすぎず、でも気を使っているのが伝わってくるし、その店員さんを通して、人はみんな、なにかしらの事情を持っていることを思い出すことができる。あとでチャリティコーヒーもひとつ寄付していこう。

 昨日は、3331近くのカフェで日記を書き終わった頃に電話がかかってきて、どうやら3331の敷地も出て行ったほうがよさそうな雰囲気だった。スタッフの人も申し訳なさそうに「誰かに許可をとったのかな~とかって話になってます」と行っていた。「いや僕が勝手にやってます。もう出て行きます~」とだけ言って、家をそそくさと敷地から出した。どうやら「上」からなにか言われたらしい。まあ仕方がない。しかしアートセンターでもこういう感じなのか。「もうすぐ始まる展覧会の作品と勘違いされるかも」ということだった。敷地は出たものの、まだ絵を描いてなかったので、前の公園のベンチの上に家を置いて、その家の中でベンチに座る形で絵を描いた。雨が降っていた。描いていたら前日のことも思いだしたりして、なんだかめらめらと怒りが湧いてきたのだった。東京に公共空間は存在しない。移住を生活するとよくわかる。本当にうんざりする。そして、描いていて思ったのだけど、ベンチの上に家を置くのは、もしかしたら地面に家が置いてあるよりも、公園の警備員なんかに注意されにくいかもしれない。下のようなかたちで絵を描いていた。



 

店にあたらしいおじさんが入ってきた。

「なんかあるかなあ」

スタッフの女性「お腹空いたの?」

おじさん「かるいやつ」

スタッフ「からいやつ」

おじさん「(笑)なんで辛いやつなんだよ」

という会話が聞こえる。

 ここでしばらく絵を描いて、14時前ごろに出発。公園をでたところでアーティストの藤浩志さんとすれ違った。それから浅草方面に歩いて行ったのだけど、御徒町駅近くを通りかかった時に、いきなり家の前に人が飛び出してきて、びっくりして顔をみたら、なんと友達のKさんだった。「え、何してんの?」と聞いたら「いや、そっちこそなにしてんのよ」となり、事情を聞いたらぼくがたった今通り過ぎたカフェで友人が個展をやっており、展示を見ていたら窓の外を通り過ぎていったので驚き、店を出て声をかけたが、ぼくは歩いていると、外の音があまり聞こえないので立ち止まることがなく、立ち止まらないぼくを見てKさんは「村上じゃないのかな。」と思ったらしいが、「村上以外で、このスタイルで歩いてる人はいないだろう」と思い、追いかけてきたという。SHI-TEN coffee(ぼくも知っているブリュッケという店の支店らしい)という店で、ぼくも展示を見せてもらった。植村遥さんの個展『凛の庭』。

 ちょっとSanya Cafeが混んできたので一旦店を出ることにする。現在1125分。

 さてSanya Cafeをでて、日記は途中のまま絵を描き、14時半ごろになって、車庫から家を出して歩き、新しい敷地に来てしまったけど、とりあえずこの日記の続きを。

 SHI-TENでその場にいる人たちと1時間くらい話をして、さあ出発しようというときに、Kさんも細野さんと知り合いだということを思い出し、「これから細野さんのところにいくんだけど一緒に行かないか」と言ってみたら行こうということになり、ものすごい大粒の雪という天気の中、なぜか展示中の植村さんもついてくる(しかも歩きで)ことになり、2人と1軒の計3人でぞろぞろと御徒町から浅草方面へ向かった。

 細野さんは僕1人のつもりが3人になったことにあまり驚かず、「しかし偶然だなあ」とだけ言って、普通に僕たち3人を店に連れて行き、おでんや焼き鳥やきしめんや焼酎をご馳走してくれた。4人で楽しく喋って22時までには解散し、僕は「空鼠」に住んでいた時期には時々行っていた「玉の湯」という銭湯に行き、戻ってきて就寝。

間取りとしては

寝室=細野さんの車庫

トイレ=コンビニ(細野さんの店)

お風呂場=玉の湯

オフィス=Sanya Cafe

03151125 | 2020 | 未分類 | Comments (0)

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