5月19日

重力が思考を阻害する邪魔なものに感じられる。肩が痛くなるのも歩くのが疲れるのも、人が土地に括り付けられるのも重力のせいだ。住所と重力の語感も似てる。

朝10時半頃にBelly Buttonを出発。

常陸太田市のアーティストインレジデンスに滞在中のアーティスト林友深とミヤタユキの家に向けて出発。

27キロくらい。荷物が減ったのでだいぶ違う。2時間半くらいは休まずに歩けた。

歩きながらミンティアと1000円のカンパをもらう。

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常陸太田市。信号に変な像が立っていた。なんだこれは。

歩いていたら昨日水戸芸で知り合った常陸太田在住の菊池さんからメールがくる

「約束の野菜ジュースを渡したいんですが、いまどこにいますか?」

なんと本当に野菜ジュースを届けてくれた。すごい。冗談に受け取ってしまったことを反省する。

菊池さんは僕が今向かっている松平町というところのすぐ近所にすんでいるらしい。そこにも遊びにいくことを約束した。これは冗談じゃない。

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林が壁画を描いているという公園まで歩いていって、そこからよしざわさんという人がトラックで林の家まで家を運んでくれた。トラックに乗せたのは初めて。ワープと呼ぶことにする。

夜、林と宴会になる。ミヤタと林が高速道路でひどい事故にあったときいていたので、事故について話を聞いた。

夜。林とミヤタが運転する車が高速道路上にランプもつけずに停車していた車にぶつかりそうになったのを避けてスピンしたところを、後続の車何台かに衝突された。窓をあけて「助けてください!」と叫んだけど、全く意味なく、窓からiPhoneが投げ出されていった。「ああ、死ぬな」と思った。車の中から警察に電話して「いまどこにいるかわからないんですけど、もう一回衝突されたら死にます」と話した。

しかし幸い二人とも死ななかった。全身打撲と骨折をしたものの、いま林もミヤタも元気でやっている。良かった。死なないで本当に良かった。ほんと、一歩間違えたら、例えばドアから飛び出したり、車を避けきれずに正面衝突していたり、もう1台多く車が走っていたりしたら、死んでいたかも。あるいは体が使い物にならなくなっていたかもしれないのだ。二人は生き残った。

あとでミヤタから聞いたのだけど、停車していた車を避けるのに、全身の全エネルギーをつかったので、スピンして停車した直後、記憶が一瞬飛んだという。そのあと、頭の中にふせんが6つ浮かんできてそのうち2つに「ともみ」と「高知」と書かれていて、あとの4つには何も書かれていなかったという。

もう本当に限界を超えた直後、人の頭は単語を6つまで覚えられる状態になるということだ。あと4つには何も書かれていなかった、というところがリアルだ。

Posted by satoshimurakami