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お昼頃に鼠ケ関を出発。国道を歩き始めるとすぐに「新潟県にようこそ」っていう看板が出ていた。 暑い。あと風がしょっぱい。このところ海沿いの道路をずっと歩いているから、いつか買った熊よけの鈴とかがみる みる錆びていく。休憩しようと思って国道の歩道に座り込んだ。視線の低い国道の景色はとても新鮮 に見えた。そういえばバイパスの歩道に座り込んだのは初めてだ。それまでは足下にあった草が、い まは目の前で揺れていて、蟻が列を作っているのもよく見える。車が走っていく。どの車も、タイヤ が完璧にスムーズに回転している。背の高い車はその裏側まで見えそう。いつかバイパスの歩道をみ んなで歩くツアーをやりたいと思っていたけど、歩くだけじゃなくて座ったりほふく前進したり、昼 寝したりするっていうのも組み込めば楽しそう。

夕方ごろ「笹川流れ」という観光ポイントに着いた。道路沿いに「藻塩」と看板を掲げた店がいくつ
かあった。海水から塩をつくってるらしい。そのうちの一ヶ所で休憩しようと家を置いてぶらぶらし
てたら、お店のオーナーらしきおじさんがでてきた。
「なんだあれ。犬小屋か。犬でも飼ってるのか?」
と聞かれた
「いや、あれが僕の家なんですよ」
と言ったら
「ん?ん?」
と理解できないようなので
「あれをテント代わりに持ち歩いてるんですよ。敷地を借りながら寝泊まりして移動してるんです よ。」
と言ってみた。
「ん?移動手段は?車か?」
「いや歩きです」
「え?」
「歩きなんですよ。あれを担いで歩くんですよ」
そしたらおじさんは、にやっとわらって「おいおい冗談じゃねえよ」って感じで僕の肩をポンと押し た。
「いいよ。ここ使っていいよ」
と言ってくれた。まだ頼んでもないのに。でももう5時を過ぎていて、そろそろ敷地を探さねばと思 ってた。嬉しい。
「ていうか、この休憩所使っていいよ。鍵開けとくから。これ1つ食え」
と言って、おじさんは8畳くらいの休憩所の鍵を開けて、ポテチののりしお味をひとつくれた。

このあたりはほんとに道路しかない。一息ついてからお風呂に入ろうと思って最寄りの越後寒川駅ま で歩いて、電車で一つ前の勝木駅(「がつぎ」と読む)で降りた。歩いて数時間かかった道を電車で 数分で戻る。駅の前に、使わなくなった学校を宿泊施設に改装した施設があった。そこで温泉に入 る。この時間、電車は3時間に1本しかないので温泉を20分で出る。そんで家に戻ってきた。
日本海がすぐそばにある。暗くて海はよく見えないけど、激しい波の音がする。ずっと遠くに、粟島
という島があってそこの灯台が光っているのが確認できる。

Posted by satoshimurakami