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歩きであんまり長距離を歩けないことによって、思いもよらない場所にとまることになる。そこで発見がいっぱいあるから面白いっていう話から、鉄腕ダッシュのソーラーカーの企画みたいだねといわれた。そんなのあったな。 日が暮れてバッテリーがなくなると動けなくなるやつ。でもあれは、彼らが本当に動けなくなってるわけじゃない。撮影クルーが他にいて、実は彼らの身の安全は保証されてる。仮にその地域で動けなくなったとしても「車が動けなくなったんだな」って、近所の人たちに理解されて終わり。想像の範囲を超えない。
テレビを見る人は、彼らが本当にマジで困るわけではないことを心の奥でわかってる。「そういう設定」でやってるってことを了承した上でそれを楽しんでいる。ネタとしてやっているというか。震災前はそれでよかったのかもしれない。僕も鉄腕ダッシュはよく見てたし。でも震災後は楽しめる気がしない。自分たちの生活を自覚的に見つめないといけないことがわかってからは、生活の範囲にまで表現を拡げていかないといけなくなったと思う。ネタをマジでやらないといけなくなった、というか。表現を生活に食い込ませるチャンスなのだ。

でもいろいろ言われて嬉しい。こうやって僕のやってることに対してある程度批判的に見てくれる人がいるから僕も対抗して自分の考えを再確認することができるし、じゃあリアカーじゃだめなのかとかいろいろ言ってくれるおかげで、自分も考えて
「車輪がついたら駐車場とかにおけるようになっちゃう。敷地を見つけるまで居場所がないってのが大事だと思ってる」
って答えることができる。なんでだめなのかを考えることができるので、結局のところ何を言われても何をされてもオールライトで、僕を面白がる人も面白がれない人も全員をリスペクトするのだ。死ななければいいだけだ。

Posted by satoshimurakami