1003/青森県十和田市奥瀬十和田湖畔宇樽部

十和田湖温泉郷から十和田湖畔にあるボートクルーズの店「グリランド」を目指して奥入瀬渓流のなかを歩いた。温泉郷のほうは閑散としていたのに、渓流のほうはハイキングやツーリングやらの自然散策の客でけっこうにぎわっている。歩いてたらデンマーク人のカップルに英語で話しかけられた。

「何をやってるんだ?」と聞かれたので簡単な英語と身振りで、絵も見せながら一生懸命説明したら、何かが伝わったらしく大変感心して「絵をひとつ売ってくれ」と言われた。

そして

「なんのためのアートなんだ?」「art  for…?」

という質問をされた。うまくこたえられなかったけどart forという言葉は焼き付いた。なんのためのアートなのか。せめて生活の方法、建築の方法のためのアートだと答えたかった。考えがうまく通じないのが大変悔しい。

男性に「いつまで歩くのか?」と聞かれたので「わからない」「I don’t know」と答えた。

すると「ok.nature knows」と言われた。

グリランドは去年と変わらない空気が流れている。RIBボート(主に軍用,レスキューに使われるボート)で十和田湖ツアーに連れて行ってくれるお店で、去年何度か乗せてもらった。奥入瀬渓流もそうだけど、十和田湖畔はずっと昔から人の手が入っていない原生の森で、おまけに湖は水深320メートルある。恐ろしいほど静かで妖しい湖。自殺スポットでもある。特に日が落ちてから暗くなるまでの時間が最高に美しい。

 

そしてグリランドは社長さんが面白い。話を聞くと出生地も明らかじゃないらしく、多分青森市だけど秋田市という説もあると自分で言ってた。そしてサーカス団の血筋らしい。生活に関する細かいことはあまりできない感じだけどギャンブラー気質で、話がよく飛躍する。独特の空気をつくる。冬は経営してないので、毎年4月から11月ごろまでやってて、その時期だけそこにスタッフが集まって来る。そのメンバーは年によって変わったり変わらなかったりする。けっこう彼を慕って集まって来るひとも多いと思う。

今日は、新しいクルーザーを仕入れたいのでボートを売るという決断をして電話をかけてた。けっこう大きな額。

「来年はFM33(クルーザー)で稼げればいいべ。もしだめだったら津軽海峡いってマグロ釣ればいいべ」

と言ってた。

今日の敷地はそのグリランドのガレージみたいなとこ。

土地


床下

Posted by satoshimurakami