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去年の夏からずっと作ってきた絵本ができた。初校とかで紙に印刷された見本を見てきたけど、本になると凄みが違う。巣鴨でたまたま福音館書店の人たちに目撃されるっていう偶然から絵本制作が始まって、そこからはずっと編集の北森さんとの二人三脚だった。
まずは文章をつくって、本の流れを決めるところからだったけど、普段日記で書くような文体じゃなくて、淡々と事実を述べるような絵本的な書き方を身につけるところからだった。しかも最初の文章は長すぎたので、ぐんぐん減らして3分の一くらいにして、そこからさらに校正に校正をかさねた。編集者の目が入ることによって、僕が書いた文章がどんどん研ぎ澄まされていくっていう過程はとてもダイナミックで新鮮な体験だった。あとから考えると「なんでここで余計なことを言ってるのに書いてるときは気がつかないんだろう」って不思議に思うことがいっぱいあって、この校正の作業は無限にあるように思えた。

何週間かかけて校正し、磨き上げた金属みたいな文章ができあがった。今度はその中に大見出しをつけていって、このページにはどんな絵が入るのが良いかとか、ここにはこの写真を使いましょうとか、誰々に写真を提供してもらいましょうとか、デザインは誰に頼もうかとか、題字はどうしようとか、ここには写真撮影がいるだろうとかあらゆることを北森さんと二人三脚でやって、その成果を編集部の人たちやデザイナーの飯田くんにぶつけてブラッシュアップを重ねていった。大原さんの題字や市川さんの写真も入ってきて、家をせおって歩くっていう僕の個人的な営みが、どんどん公共のものになっていった。最終的にデザイン、写真、題字が奇跡的なバランスで成り立ったすごいものになったと思う。

最初にネットから僕を探し出して連絡をとってくれた高松さんからはじまって、ずっと並走してくれた北森さんや、ツイッターで写真を提供してくれた名前も知らない人たち、打ち合わせ場所の提供までしてくれた越喜来のわいちさんや月江さん、京子さん、他にもお礼を言いたい人が多すぎておいつかない。ありがとうございました!

Posted by satoshimurakami