0614

梅雨になった。昨夜の敷地は建物の北側だったのでジメジメしていた。ジメジメした土に はワラジ虫とかダンゴムシがいる。ヤスデもいた。彼らは地を這って生きている。 蜘蛛もいるけど、蜘蛛は地面じゃなくて壁とか塀にいる。地を這っている人たち は、壁には登ってこないので僕の家の中にもあまり入ってこない。銀マットの床と壁のあいだには隙間があるけど、ここからもあまり入ってこない。蟻は入ってく る。今回はいないが。蟻には多分、壁と地面という概念がない。地面も壁も関係な く歩く。ただしルートさえ外れていれば入ってこない。 
今日の朝、来月7日からのスウェーデンでの滞在制作が急遽決まったのだけど、パスポートを再発行しなくちゃいけないのを忘れていて、いますぐこの家をどこかに置いて役所に行きたいと思ったけど、このすぐに動けない鈍さや、もどかしい歩き の遅さもこの生活の重さなのかと思うと焦りが消える。車はとても速いので、僕た ちの時間感覚や身体感覚を変えてしまった。自動車向けにつくられたバイパス道路 を歩いてるときよりも、歩行者向けにつくられていた旧道を歩いているときのほう が、道幅がからだの感覚に合っていて気持ち良い。景色も楽しい。ただしたいてい の旧道沿いの商店やなんかは潰れてしまっている。あまりにも移動と停止を二つに 分け過ぎてしまった。他の生き物たちは、こんなに移動と停止を分けて考えている ようには見えない。 今日は玖珂のお寺からずっと2号線(バイパス)を歩いてきて、途中から山陽道 (旧道)に切り替えた。バイパスは自動車の通行量が多いけど、山陽道はあまり走 っていない。この道路は多分地元の人しか使っていない。バイパスを歩いている歩 行者には一人も会わないけど、山陽道では何人かとすれ違った。でもたいていの人 はちょっとした移動でも車を使ってしまう。それがどういう結果をもたらすのかは 考えないで移動してしまう。僕たちは何も知らずになんとなく生きてる。SNSを開 発したのもアメリカ人だし、SNSのせいで自分と人と比べちゃって生きるのがきつ くなって、銃を乱射しちゃうのもアメリカ人。 


今日は玖珂から23キロくらい歩いて、山口県下松市の花岡八幡宮という神社があ るあたりについた。1軒目に敷地を交渉したお寺は「うちは全部断っちゃうから。 申し訳ありませんね。」と断られた。2軒目のお寺のおばちゃんがお寺の会館の駐 車場を貸してくれた。「うちも今までいろんな人が来てるから。アーティストを目 指して彫刻してる人もきた。」と言ってた。 


家を置いた後は今日こそはお風呂に入ろうと思って近くでお風呂場を探し、電車 (岩徳線というワンマン電車)で2駅の徳山駅まで行き、駅から歩いて10分くらい の「文化湯」というお風呂場に行った。ここがまた良いお風呂場で、シャワーがつ いてなくて、お湯と水がでる蛇口がある古い型の銭湯だった。体を洗ってたら、地 元人っぽい若いにいちゃん二人組が「初めてかもなー」と賑やかに入ってきて、 

「まずは、」といいながら椅子と風呂桶を取って「まずはそれだね。いろいろたいへんだねえ。」

「これがお湯、、熱!!熱い!なるほど、ここでお湯と水を混ぜて使う。どっちもお湯ってことはないよな。、、熱!熱い!」

と楽しそうにしている。お風呂からでた ら番台さんが「熱くなかった?入れた?」とが声をかけてくれたりもする。

「出張ですか?」と聞かれたので「出張みたいなもんです」と答えたら「みたいなもんがあるんだ」と笑っていた。

今日の敷地。大師様の足元。トイレ・洗面台は、歩いて5分くらいの公園のものが使える。

 

Posted by satoshimurakami