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中町通りの民芸店の「サザン」に置いてあるアジアの民芸品は、何に使うのかわかるようでわからないものや自分とは民族的に違うセンスで描かれている模様のものがあったりしてそういうものばっかりの空間にいると、ちょうどよく何かと何かのあいだにおさまってるというか、名前がつけられない、深いところに沈んでいくマインドセットになってくる。とても落ちつく。コップでも鏡でもないけどコップや鏡になんとなく近い気がするものとか、本当に何に使うのかわからないけど長く使われていたことが推測できるものとか、山に山と名前をつける前の状態で山を見ているときの気持ちに戻れる感じがする。用途がわからん民芸品に囲まれているということは、名前が付けられる直前の状態のものに囲まれているということで、それはマクドナルドやスターバックスとは反対の状態で、松本には個人で経営しているお店、例えばバーともライブハウスとも言えるけどどちらでもない店とか、ジャンルに回収されない店は多いけど、この民芸のスタンスとも相性が良いのかもしれない。新美くんがやってるギブミーリトルモアは奥にライブハウスがあってそこに行くにはバーになってるスペースを通らないといけないんだけど、奥のライブハウスにいくために人が集まってくるんだけど、手前のバーのほうが大事だと思う。バーだけでもだめで、ライブハウスだけでもだめで、ライブハウスとバーが別々の入り口をもっていてもだめで。一応何かを設定するんだけど、そこにいたるまでの「廊下的な場所」に本質があるというか、そういうことをやるには松本はとっても良い場所なんだと思う。気づけばawaiも同じ構成になっている。いわゆるオルタナティブスペースがたくさんできてることと民芸運動的であることは近いところにいるというか。

Posted by satoshimurakami