05302208

今日は涼しい。今日は涼しいが、昨日までずっと暑かった。ベルリン。こんな真夏日みたいに暑いとは。昨日までは毎日最低気温が20度越えで、日差しも強い。でも空気が乾燥しているので、暑さがそれとなくさわやか。でも町の空気が悪い。ずっと鼻炎が発症しているような状態だ。特にビールを飲んだあとなんか特に。でもマスクをしてる人はほとんどいない。というか一人も見なかった。ストックホルムでもそうだったけど街中に、なんかふわふわした白いワタのようなものが飛びまくっている。なんらかの植物の胞子だと思うけど突き止められず。あれはなんなんだ。ベルリンは住みやすそうだけど、この空気の悪い感じはちょっときつい。あるいは、花粉症みたいななんらかのアレルギーで鼻炎が発症してる可能性もあるけど。さっき寄ったベルリンセントラルバスステーションの売店の男がめちゃくちゃ愛想が悪かった。そういえばここに着いた日に話したインフォメーションセンターのおっさんも愛想悪かった。ここでものすごいいろんなタイプの人を相手に仕事をしてると、なんかあんな感じになっちゃうのかなと思ったけど。それにしても。こっちではとにかく、自分から主張していかないとマジで話も聞いてもらえない。ドイツは意外とカードが使えないところが多かった。スウェーデンではほとんどの人がカードで支払いをしていて、現金を使ってる人は数えるくらいしか見なかった。そのつもりで、あんまり現金を持ってきてなかったんだけど、これが大間違いだった。現金は6万円弱しか持って来ておらず、いますでに3万円くらいになってしまった。これからチューリッヒ、ヴェネチア、もしかしたらロンドンと滞在するのに。大丈夫か。しかもまた運が悪いことに、僕のカードにはICチップがついておらず、そのせいで使えないこともある。さっきも売店で、カードを使おうとしたら使えず、現金!と言われた。あれは挿入方向が間違っていたんじゃないかとも思うけども。とにかく、なるべく現金を使わずに過ごすしかない。帰国したら、キャッシングができるICチップ付きのカードにしようと決めた。

なんにせよ、ベルリン滞在は終わった。今はFlixbusでチューリッヒに向かっている。フランクフルト経由で。また15時間の長旅になる。ベルリンでは結局美術館やギャラリーに行けなかった。チューリッヒではいけるだろうか。窓から外はずっと同じだ。ここの風景はずっと草原と低い山だ。日本が懐かしい。あの険しい山々が。ヨーロッパの大地は、本当に、よくもまあこれだけ耕したもんだと思うほどにずっと平坦で草原が続いている。ロンドン周辺と、スカンジアビアの南側からドイツを経て、スイスの中央部までの風景しか知らないが、本当にずっと草原だ。何度も着て生地がすれきった「BOMBORI」のロゴが入っている白いTシャツと、まだ新しい水色の作業着の(清掃員の)ようなスラックスを履いて、ベルリンの中央バス駅からフランクフルトに向かうバスに乗っている。バスは、13時20分にベルリンを出発し、途中で豪雨に見舞われながら、いまでは雨も止んだドイツ中央部の草原を突っ切っている高速道路を南西に向かって走っている。いつか小説を書きたい。自分の話ではない、なにかフィクションを書きたい。登場人物をつくりあげ、自分の中に住まわせ、また別の人物とやりとりをさせたい。どうも、主語が自分から離れると、文章も自分から離れしまうような気がして、筆が進まない。今まで何度かトライして見たが難しかった。何か、明確な命題と物語の大枠を作り上げてからの方がいいんだろう。いや、ここに書いてあることもフィクションかもしれないぞ。僕が本当はどこにいて、何をしているかなんて確認のしようがない。いまヨーロッパでバスに乗ってるかのように見せかけているが、本当は東京の実家にいるかもしれない。札幌にいるかもしれない。あるいは、Orebroにある安いホテルに泊まって、ベッドに座ってパソコンを開いてるかもしれない。わからないぞ。これを読んでるかのようにみせかけているが、本当なのか?何か、パソコンの前に座って字面を追ってはいるが全然読めていないんじゃないのか。一体だれに向かって、書いたふりをしたり、読んだふりをしたりするのか。そういうふりをしているのか?なにかよくわからない他者のようなものにむかって読んでいるふりをしているのか?

Posted by satoshimurakami