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4月 16, 2017

表紙

2014年の4月に始めた、移住を生活するプロジェクトの最初の1年間の日記を編集してまとめた本ができました。もともと福音館書店に勤めていた高松夕佳さんが立ちあげた出版社「夕書房」の一冊目として出版されます。装丁は佐々木暁さん。見たことのない装丁の本です。全国の書店もしくはインターネットで買えます。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

5月13日に下北沢の本屋B&Bで刊行記念トークイベントを行います。ゲストに建築家で、本屋の書店員でもある坂山毅彦さんをお迎えします。このあいだ編集の高松さんと3人で打ち合わせを兼ねて飲んだんですが、建築家である坂山さんが書店員もやっているのは理由があり、そこから派生して色々な話題が生まれて盛り上がって気づいたら5時間くらい経ってました。

よろしくお願いします。
僕は一昨日と昨日は福島県の猪苗代の森で開拓キャンプに参加して、今は松本にいます。(05021833)

村上慧×坂山毅彦「建築と本と移動をめぐる対話」『家をせおって歩いた』(夕書房)刊行記念

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4月 15, 2017

◯札幌市の500m美術館での展覧会に参加しています

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これまで制作してきた「清掃員村上」「清掃員村上2」に加えて、3年半ぶりに新しく「清掃員村上3」をつくりました。全ての映像を観ることができます。

『500m美術館vol.22「北の脈々 -North Line2-」』
会期|2017年4月15日(土)〜7月5日(水)
時間|7:30〜22:00(最終日のみ17:00まで)
会場|札幌大通地下ギャラリー500m美術館
■出展作家
阿児つばさ・阿地信美智・伊藤明彦・伊藤幸子・上嶋秀俊・国松紗智子・佐藤菜摘・澁谷俊彦・鈴木隆・瀬戸一成・故郷Ⅱ(永桶宏樹、麻理佳)・萩原由美乃・藤井忠行・村上慧・安田せひろ・吉野隆幸

http://500m.jp/exhibition/3967.html

 

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5月 19, 2017

ラディカル・オーラル・ヒストリーという本の中で著者の保苅さんが、アボリジニーのある長老に関して

「ジミーじいさんの関心は、目の前にいるこの僕が、自分の話をちゃんと聞いているかどうかであり、その話を、オーストラリアや日本でちゃんと語り伝えるつもりがあるかどうかだったのだと思います」

と書いている。またこのジミーじいさんとの出会いが、歴史学者である自分とアボリジニーの人たちの関係を「私と彼等」から「私とあなた(たち)」に変えてくれたとも言っている。アボリジニーの歴史観は、石が歴史を語ったり、大地が歴史を語ったり、大地が人を殺したりするので、それを歴史学者である自分が、”歴史”として引き受けることができるか、ということがここで問題になっている。

先週、awaiの二階で遠藤一郎さんが来てくれて雑草酵素の話をしてくれているとき、奈保子が記録写真を撮ろうかと思ったらしいんだけど、カメラを向けるのが失礼に当たる気がして撮れなかったという。それは一郎さんが目の前の自分に向けて話してくれているのがわかるから感じることだ。

時々、カメラを向けることは目の前の対象を「あなた」から「彼等」に変えてしまうんだと思う。ちゃんと「私とあなた」として話をしているところでカメラを向けるということは、ようするに目の前の相手の話を私でもあなたでもない「彼等」という、なんかよくわからない立場に追い込んでしまうことがあるんだと思う。SNSでもそういうことは度々あると思う。自分が誰かとした体験を、SNSにあげるということは、その経験を共にした誰かを「あなた」から「彼等」に変えてしまう。ということでなんだか怒りが湧いて来たので、再びFacebookアカウントを消した。フェイスブックアカウントを停止する時、友達になってた人たちのプロフィール写真が「~さんが悲しむと思います」「~さんが悲しむと思います」「~さんが悲しむと思います」という文字と共にずらっと並ぶという画面にあって、これは悪夢だと思った。

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4月 21, 2017

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500m美術館の展示のために札幌に1週間ほど滞在した。そこで阿児つばさというアーティストと知り合った。彼女は花路里という作品のドキュメントを展示していた。花路里というのは、「柳川」という料理屋をやっている彼女の祖母に、その店の名前の由来を聞いたところ、その店の説明をしてくれたあとに「花路里っていうのもお洒落で良いよ」と言われたことをきっかけにつくったものらしい。なぜおばあちゃんが花路里と言ったのか、孫が何か店の名前を考えていると思ったのかわからないけど、とにかく「花路里」というものをつくってみようと思ったらしい。花と路と里にわけて考えたり、友達と花路里ってなんだろうと考えて色々作っていたが、ある日インターネットで花路里を検索したところ、あっという間に祖母がやっている店の近くに花路里という名前のスナックを見つけてしまった。祖母はこのことを言っていたのかと合点がいった。でも花路里という名前の響きから既に色々つくっていた阿児さんは、その「花路里」を現実にあるスナックの「花路里」に持って行き、そのオーナーの人から話を聞いたりした。その様子をドローイングや写真で展示をしている。阿児さんは「花路里」と印刷されたマッチを作っていて、それを僕にくれた。そのマッチがとても素敵な作品だった。内省的だけど、政治的でもある。言葉からイメージを膨らませて妄想的に色々つくったが、現実の花路里を見つけてしまった。こういうことは日常のなかでもよくある。断片的な情報だけで色々想像を膨らませてしまい、それを現実と混同してしまったり、現実を見なくなってしまったりする。ずっと昔にきいた音楽があって、それが頭の中でずっと残っていて、ある日偶然その曲をYouTubeで見つけてしまったりして、頭の中の曲と違っていてがっかりしたりする。こういう時に感じる切ない感情を花路里と呼びたい。妄想だけでアウトプットせずに、最後には現実をちゃんと見つめる。でも現実を見るだけで終わらないように。

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労働ダンス

4月 12, 2017

ポイント
・速く歩く。動作→動作の動きのスピードを早足で(手を大きく振る)
・手を速く動かす。体をプログラムのように動かす
・次の動作に移る際、躊躇をしない
・客の前ではゆっくり動く(サービス業の場合)
・首を少し上に向けて歩く
・動きを止めない(突然静止したりすると効果的)
・ちょっと汗をかいている
・とにかく動作にためらいをもたせない
・「ルンバ」のような動き
・同じ動作を延々と繰り返す

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パチンコ屋の清掃バイト最終日。帰り側に山内さんという、僕より後に入った男性からかけられた「村上さん頑張ってください。村上さんの雰囲気好きですよ。」という言葉。なぜかとても胸を打つものがあった。僕がなぜここで働いていてなぜやめるのか、これからどうするのか、そもそも何者なのかなどは、山内さんは全然知らないはず。バイト中も、仕事の手順などについて二言三言声をかけあう程度の間柄だった。でも「村上さん頑張ってください」と言ってくれた。こんな力強い「頑張ってください」は聞いたことがない。山内さんという、苗字しかわからない男性のこれまでの人生とこれからの人生のことを考えて気が遠くなった。

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お花茶屋公園を駅に向かって歩く途中「ああ、春だ」と思った。今日から春だ。子供の頃よく近くで見たり登ったりしていた木々を改めて近くで見てみると、解像度が高くて綺麗だなあと感激した。最近近くで見るものといえばディスプレイばっかりだ。

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wbcの韓国戦がテレビについてて、客の1人が
「韓国戦やるんですか?だれも見ないでしょ。韓国戦なんて。僕もwbc興味ありますけど。日本戦にしないんすか。」
というので
「はいー。ちょっと聞いてみます」
と言ってその場を去ったがまたすぐに
「あの、どうなんすか。このまま韓国戦やるなら出ますけど。変えられないんすか」
と、どんどん迫ってくる客。韓国戦をみるのが嫌らしい。ここまで根深いのかと思った。

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今日は1日寝てしまった。新宿のパブのバイトが急遽オフになったので、朝のバイトが終わったあとに色々溜まっていることを進めようと思ってたのに、帰ってきて部屋にいったら体がベッドに向かっていき、そのまま寝てしまった。起きようとしたけど動かず。夕方に目が覚めた。

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朝の清掃バイトの帰り。電車のなかでiPhoneをみていて、ふと窓の外を見たとき、自分が高速で移動していることをおもいだした。それまで、移動しているということを忘れていた。毎日のようにバイトをして、疲れている。時間感覚がどんどん短くなって、明日のシフトのことくらいしか考えられない。遠い未来のことや、どこか遠くのことを想像する余裕がなくなる。大きなものや、世界のことを考えられなくなる。明日はシフト3時からか~。くらいの意識になってしまう。
申し訳ありません。すいません。と、我々はいったい誰に謝っているんだろう。

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町屋のデニーズ。1ヶ月くらい前に来たときに隣のテーブルにいた男性二人組が、今日も隣のテーブルにいる。

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デシャップはお母さんみたいだ

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清掃員は偉い。みんなお互いを信頼してるから早い人が遅い人にぐちぐちと何か言ったりしない。役割が違うことを知っていて、そのバランスで全体が成り立っていることを知っている。みんな真面目で、責任感がある。

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13年この仕事を続けているおじさんのAさんが「店員への態度が悪い」ということで入店禁止になり、現場の店舗から姿を消した。どこかの店舗で店長ともめたらしい。みんなすこし驚いていたけど「痛い~」という程度の感想で終わり、その後いつも通り仕事が始まり、いつも通りの時間に終わった。Aさんは天気や食べ物など細やかな話をよくしていて、誰にでも話しかけてくれ、仕事も几帳面な人で僕にも「こういう汚れはこすればおちるから」と行って床についたガムの汚れを落としてみせてくれた。また、パチンコ屋の店員にも対等な立場(のように僕には見えた)で何か気がついたことがあれば意見していた。Aさんがこの現場で積み上げてきたものはなんだったんだろう。Aさんがいなくてもいつもどおり仕事が終わってしまい、これからもずっと彼がいないとしてもいつも通り毎日仕事はちゃんと終わってしまうことは、許されるのか。

清掃員という人間について。清掃員はみんな真面目で責任感があり、正直だ。卑屈になったり、人を出し抜いたり、誰かの仕事が遅いことに理不尽に腹を立てたりせず、助け合うことができる。パチンコ屋を経営しているような人たちは、人を出し抜くのが得意だ。人々を変な方向に導き、頭をバカにさせる。この業界は文明の敵だ。

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バイト先のボールペンというものは、いつもどの現場でも粗悪だ。

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激しく疲れている。ぼーっとする。バイトしてると、ぼーっとする時間が奪われる。ほんとに絶えずロボットのように働かないとという意識にさせられる。仕事おわったあとはただ寝たりするのに精一杯になって、大きなことに意識が向かないのも無理もない。
今年出す自分の本の校正のあいまに、オーウェルの「パリロンドン放浪記」を読んでる。オーウェルは人間ひとりひとりへの温かい目と、それを包み込んでるシステムへの厳しい目を同時に持っている。システムへの厳しい目を、人間ひとりひとりにあてはめるなんてことはしない。人のことを愚民などと呼んだりしない。

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過去の日記を見返していて、当時違和感を覚えたことを覚えてるのにそれが日記に書かれていないことがある。例えば「南三陸町は小さい町だけど、最近立て続けに死亡事故が二件あったからくれぐれも車には気をつけて。」と交通整理のおじさんから聞いたとき、復興工事で死亡事故が起こるのは絶対にあってはいけないんじゃないかと思ったけど、それは書かれていない。

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パチンコ店の清掃の集合場所での会話。
もう長いことこの仕事をしているおじちゃん「卵いれるとおいしいんだよな」
女性「卵いれるとなんでもおいしいー」
おじちゃん「ご飯に卵いれて納豆かけてかきまぜてさ。すっげえおいしいんだよな。」

おじちゃん「(天気について)ずっと晴れてるけどな。昨日も15度あったけど昼過ぎから風強くなってきて、そうすると体感気温2,3度下がっちゃうからな。」
女性「そうですよねー」

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バイトをやっていてしばらくして疲れてくると何もかもぶち壊してやるという破壊衝動が生まれる。ビールを運んでるときとか、パチンコ台のガラス部分を拭いてるときとか。
パチンコ屋もレストランも人間に必要ない。進化しすぎている。でも、そういうシステムをどうこういうのと、そこで働いてる人達をどうこういうのとは違う。それはいま福島に残っている、あるいは帰ろうとしている人たちをどうこういうができないように。福島駅前で、そこに住んでいる人達に向かって、あなたたちはいますぐ出ていきなさいというデモで感じた違和感と同じ問題だ。

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映画「沈黙」。「イエスだったらどうするか」と「キリスト教の信仰を守る」。この二つが全然違う。

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風呂に入ると翌朝の疲れの残り方が全然違う。風呂には入るべきだ。

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一緒に働いてる人たち一人一人はみんな人間らしさに溢れていて愛おしい。その動きをみて、面白いと思ってしまっているけど、あきらかにサービス業それ自体は進化しすぎでおかしなレベルになっている。サービス業問題は真剣に考えないといけない。オーウェルの言い方を借りるなら「人間に必要なのか?」。

新宿のバイト先のビル。従業員口のエレベーターは一つしかなく、各界の厨房やスタッフ専用スペースと直結しているので、各階を通り過ぎるとき各階の声が聞こえては離れていく。

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家事と同じと言ってたが、それが必要なのかという意識は必要。オーウェルはホテルやレストランなんてそもそも人間に必要なのかと言ってた。

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28卓にごみと見間違える黄色いきずがあって、いつも拭こうとしてしまう。

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01311624

新宿のバイト先のビル。電子施錠になるらしい。明日から警備のおじちゃんたちがいなくなるという。最後に店の電球をかえてくれた。店長が「お世話になりました」と何かをプレゼントしていた。
スタッフが賄いを食べるための食堂(というか机が4つ並んでいるだけの狭い部屋)での会話。
男性「他の店の話だけど、これ選択してきてって言ったら洗濯ってどうやるんですかといわれたって」
女性「いまは包丁もつかわせないもんね」
女性2「一流大出て、就職して、会社でバーベキューやるってなって、卵割ってって言ったら卵が割れなかったって話も…」
男性「小学校の絵もいま描いた人の名前書かせないらしいですよ。上手い下手で差別になるから」

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