5月10日

取手を朝9時ごろに出発。ここからいっきに24キロ離れたつくば市松代に向かう。笑楽さんと貝塚さんを含む3人が見送ってくれた。

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今日の朝日新聞茨城版に載ったとの報告をうける。

写真 1
「結論がでるかわからない」なんて言ったかな。。何かの結論を出すつもりなんて無いのだけど。。
でも「スケッチ旅行」という言葉にハッとさせられた。そうかそう言えば通りがいいかもしれないと思った。この生活は、ただの家のスケッチを「絵」に昇華させる作業。

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いろんな人からお風呂とかどうしてるんですか?
とか
洗濯どうしてるんですか?
とか
ご飯どうしてるんですか?
とかいろいろ聞かれる。そういう生活に関する質問のひとつひとつに、その質問者の普段の生活が反射されているようで面白い。この生活をやっていてつくづく思うのは、家の最大の機能は「寝る場所の確保」だということ。これさえなんとかなれば、ほかの洗濯とかお風呂とかご飯とかは外でもどうとでもなる。

つくばみらい市でコンビニの駐車場に家をおいてうどんを買ってきて食べているときのこと。大学生らしき男性二人組が「旅してるんですか?」と話しかけてきた。事情を説明しているときに、また別の女性が近づいてきて僕の家を指して

「これ、ここに置いていくわけじゃないですよね?」

と話しかけてきた。僕は

「置いていきませんよ」

と答えたけれど、変な質問だなと思った。そしたら女性は何か納得したようで去っていった。そしたら大学生の男の子が

「あの人ばかだな。おいていくわけないだろ。これがゴミじゃないってことくらいわかるでしょ」

とつぶやいていた。それを聞いて嬉しくなった。いいやつだ。

しばらく歩いていたら路上で女性に話しかけられる。つくばにすんでる建築家で、今朝の新聞を読んでいたらしい。すこし話して意気投合し、明日の夜うちに来なよ。と言ってくれた。だんなさんは土木の仕事をやっているらしい。

夕方つくば市の松代に入ったころに、ツイッターで連絡をとってくれた女の子と路上で会って、栄養ドリンクを2本もらった。今朝の新聞を読んでて、その小さな家が家の前を通りかかったから追いかけてきたらしい。なんだかんだ今日歩いていて飲み物の差し入れを4つももらった。すごい。みんな飲み物を渡したがるのが面白い。

写真 2 (1)

今日家を置かせてもらうのは、東京で知り合った福音館書店高松さんの実家。週末なら帰れるからと、高松さんが招いてくれた。嬉しすぎる。たくさんの絵本と、ガラスの置物と絵と植物があるおうち。

 

写真 1 (1)

あとお父さまが飼っている何羽もの鳥。お互いの姿が見えると鳴かなくなってしまうからこんなふうにおいているらしい。

そしてお母さまが

「じつは計画があって。。」

という。なんと近くのホテルのバイキングを予約しているという。

写真 2

これ。僕と高松さんとそのご両親の4人でバイキングだ。面白すぎる。

高松さんと知り合ってからまだ一ヶ月も経ってない。ご両親からしたら僕はどこの馬の骨とも知らない完全に怪しい人間なんじゃないかと思うのだけど、とっても歓迎してくれた。食べながらこれをやることになった経緯について話した。お二方とも頷きながら聞いてくださった。

バイキングはとってもにぎわっていて、家族連れやカップルがたくさん来ていた。すこしおしゃれをしてきている人や、ジャージのままの息子を連れてきている家族や、10人以上の大所帯の家族連れもいた。それぞれの家庭でこのバイキングのことを知ったお母さんあたりが、家族に提案して、ホテルに予約をとって、いまそれを楽しんでいる最中なんだろう。すごく良い。すごく良い光景だった。

ゴミを出しながら近所の人と会話している光景や、おじさんがつりをしている光景や、こうやって家族でバイキングにきている、そういう場所に根ざした生活の営みが、とても輝いて見える、という話をしたら、お母さまが

「それはあなたが苦労してるからよ。苦労してるから、そうやって見えるのよ」

といった。

「そうよ。そうなのよ」

写真 3

夜寝る前にいろんな絵本を見せてもらった。

シュルヴィッツという絵本作家の「よあけ」という本があった。

これがすごかった。

読むのに5分もかからない。1ページに1つずつ、絵と言葉が十数ページあるだけの短い本なのだけど。

絵本の力。知らなかった。

Posted by satoshimurakami