05232112

マスターに見送られながら玉島をお昼前に出発。17キロくらい歩いて、笠岡につ いた。今日は途中までNHKラジオ、途中からはネットでラジオドラマを検索して片 っ端から聞きながら歩いた。ラジオで「CDよりもレコードの方が大きくて集めるの が楽しい」「確かにモノ感がありますね」というやりとりがあって、これは定住し ている僕たちの営みだよなあと思ったりした。僕は音楽は好きだけどCDもレコード あまり持ってなくて、特に移住生活のあいだはCDなんて常時使わないものは持とう という気にならない。音楽はYoutubeで聞くか、iPhoneに入ってる。iPhoneとネ ットがなかったら今の僕は音楽を聴いたりなどの文化的なことは全然できないだろ う。ラジオドラマは「父子水」「優しさごっこ」「十円玉」「山霧の深い晩」を聞 いた。
5時前に笠岡についたら道路のマンホールとかにカブトガニの絵が描いてあった。 カブトガニの繁殖地らしい。敷地を探すためにお寺を探して歩いていて、個人経営 の学習塾の前を通りかかったとき、気の良さそうなおじさんが「写真撮ってい い?」と話しかけてきた。この人が先生っぽい。敷地を探していてお寺に向かって いるという話をしたら「うちの塾の裏側でよければ、そこにあるトイレもつかって いいよ」と言ってくれた。あっさり決まってくれた。助かった。「トイレはここ で、お風呂は貸せないけど水はこれが使える。この水は飲まないほうがいいな」。 家を置いたら「学生なの?」と気かれたので持ち歩いてる「家をせおって歩く」の 絵本を見せた。 (この本ができてから、僕が何も説明しなくてもこの本を見てもらえればだいたい のことが伝わって、みんな納得するらしい。この本は僕の活動内容だけじゃなく て、こういう方法で収入を得ているということまで伝えてくれる。収入については 「芸術祭に出たり」とか「絵を売ったり(驚いたことに「絵を売る」というと、ほ とんどの人は『路上で自分の絵を広げて道行く人に売っている』というイメージを 浮かべるらしい。美術はどれだけ無力なのか)」とか「文章を書いたりして」とか っていう説明で全然理解できない人でも「この活動を絵本にもしてます」っていう とみんな突然納得する。)
先生はとても気に入ってくれて「すごい。生き方としてこういうのもあるのか。ち ょっともうすこしこの本借りてていい?ここはどうぞ自由に使ってください」と言 って絵本をもって塾の中に入っていった。

岡山県笠岡市笠岡の学習塾の敷地

僕は昨日と同じようにすぐ絵を描き始めたけど、数十分か描いてたら蚊がでてきて 断念した。明日の朝に続きをやる。今日も汗だくだったのでなんとしてもお風呂に 入りたかった。笠岡駅の近くにはグーグルマップでは銭湯が一つあったけど最近潰れたらしい。なので電車で福山駅まで行くことにした。
すこし笠岡の町を歩いてみたけど、この町並みがまたやばかった。
基本的には歴史の古い町っぽく、位の高かったであろう立派な蔵造りの商店建築がたくさんあった けど、どれも老朽化が深刻そう。でもそれ以上に、町のあちこちから狂気がはみ出していてやばい。


お風呂場は福山駅から歩いて15分くらいの「ゆららスーパー銭湯」を使った。

Posted by satoshimurakami