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ロニ・ホーン展。彼女が語っていた「黒い水の話」がとても良かった。自分も消えたくなる。水彩のテキストのコラージュやドローイングは、彼女の集中力の凄まじさを見せつけられた。展示のやりかたなども含めて思ったのは、「ささいなアイデアでも、徹底的にやればモノになる」ということ。最初はささやかでいい。誰にでも思いつきそうなことでいい。でも、それをずっとやり続けること。人の目を本当の意味で気にしないこと。「黒い水」の中に体ごと入り込み、その水と一体になると同時に、「水の外側」との接続を経つこと。そんな制作態度が伝わってくる。これは元気がでる。これからも制作をしていこうと思える。
美術館は人がとても多くて驚いた。美術見にくる人って、こんなにいるのかあと思った。良いことだ。カメラのシャッター音は本当にやめてほしいが、こちらが彼らとかち合わないタイミングで観に行けばいいことだ。棲み分ければいい。そう。たとえ断絶があっても、仮にお互いに全く分かりあえなくても、「同じ部屋」にいること。ここをおさえる。
ロニ・ホーンを観た後、閉館時間ぎりぎりで3分だけ観たモネの絵画がすごすぎて、ロニ・ホーンの印象がかなり消し飛んでしまった。やはりモネはすごい。僕が運転で疲れていて、ハイコンテクストな展示を観る体力が少なかったこともあるだろうが。