5月17日の日記
以前寄稿した雑誌の発行元企業のCEOが登壇するという情報がたまたま目に入ってきたベンチャー系のオンラインセミナーを受講してみた。内容も面白かった、というか、そういう界隈ではすでに有名な話だったりとか、名のしれた会社があったりとか、そういうことが暗黙のうちに了解されている雰囲気を感じ、マルチバースを思った。世の中にはたくさんの人びとがたくさんのレイヤーの上で活動しており、レイヤー間を行き来したりしなかったりして、気の遠くなるような情報をやりとりのうえで営まれているひとつの世界。美術や建築に限ってもいろいろな戦い方というかフィールドがあるのだから。世界は広い。自分がおもっているよりもずっとずっと…。常に広い。絶えず広い。しかし内容はともかくそのセミナーは、ぼくが勝手に抱いていた「ベンチャー系」のイメージにかなり近い形で、カタカナ言葉を会話のなかで多用していて驚いた。香川県民はうどんばかり食べているというイメージがあるけど、実際うどんばかり食べている、あの現象と同じ。もっとも衝撃的だったのは「ペインを解決」という言い回し。「ニーズを満たす」に近いが、もうすこし切実な時に使うようだ。現状よりもすこしプラスになる、という感じではなく、ストレスをなくす、という感じか。他にも「グロースのために」「ラーニングできる」「グループインしたときに」など。M&Aのことを「グループにジョインする」とも。こういった言葉たちが、ごく自然に使われていた。僕もドローイングとかタブローとかサブロクとかシハチとかコグチとか業界っぽい言葉使うことあるけど、彼らのそれは単語という単位ではなく熟語になったときにオーラを纏う点がユニーク。(05171216)