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今年の元旦から追いかけ始めた『虎に翼』の最後の5話を先ほど涼ちゃんと一緒に見て、無事完走した。全130話。のべ26時間くらい。こんなに長い映像を最初から最後まで見たのは何年ぶりだろう。見れた。見てよかった。最終回の、エンディングのラスト10秒の演出がとっても粋でチャーミングで、いいドラマをありがとうございます、と感無量、感謝の気持ちが湧いてくる。米津玄師の主題歌「さよーならまたいつか」という曲名が、とてもこのドラマにぴったりだなと最初から感じていて、その理由が最後の最後ではっきりわかった気がする。
つまり、(たった)80年前の寅子たちの前にあった差別や不平等は、多少形は変わったかもしれないけど、今も続いているし、80年後の未来にもまだあるだろう。不条理は永遠になくならないかもしれない。それでもこのドラマのように寅子が戦った事実は消えないし、寅子という水の一滴が岩を叩き続けていた、その音を私たちは聞いてしまった。きっと、私たちの中にいる次の寅子が、再び同じ音を響かせるだろう。

あなたはこれから死に、また生まれ、また死んでいく。この先あなたは、まったく同じ人生を永遠にくり返すことになる。それでも人生をふたたび始めるのか?
もちろん、喜んで!

これはニーチェの永劫回帰だけど、虎に翼というドラマを通して感じられる、繰り返しのイメージの源泉はこれかもしれない。同じようなことを何度も何度も繰り返しているのに、世界は全然良くならないように見える。
「それでも繰り返すんだよ」と、この作品は背中を押す。
いくつもいくつも生を超えて、何度繰り返しても、「そのとき」が到来することは永遠にないかもしれない。でも繰り返すことをやめちゃだめだ。では、さよーならまたいつか
と喝を入れてくる

Posted by satoshimurakami