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時間には「今」しかないっていう考え方ができる。過去も未来もない。世界には今この瞬間しか存在しない。そういう考えのもとで生きている人たちがいる。愛おしい。同じ時代に生きていることが嬉しくなるような人たちがいる。守れない約束はしないし、いま目の前の現状を必死で生きることに精一杯な人たち。過去をノスタルジックにふり返ったり、未来を必要以上に憂いたりしない。過去や未来のために今を生きたりしない人たち。あらゆる人との出会いを肯定的に受け入れて、自分の人生に果敢に取り込んでいく。その結果自分の人生がどう変わっていったとしても、出会わなかったらよかったとか、そんなことは絶対に考えないで、ただその瞬間を一生懸命生きて「楽しいよ」って言える人たち。そういう人が同じ時代に生きているっていうことを思うだけで深い喜びがわいてくる。
高松の人たちと久しぶりに会った。彼らは、僕が移動生活を始める前に最後に会った時から今日まで続いている日々を、引き続き送っているだけだった。そりゃあ各々すこしずつ環境は変わっている。部屋の模様替えをしたり人付き合いが変わったりはしている。でもそこで流れている日々のリズムは、僕が高松をでていく前と変わっていない。安心した。僕はそこで、いち登場人物になれたことを誇りに思う。