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「重力と恩寵」超やべえ本だと電車で読みながら渋谷に行って偶然と想像を観た。面白かった。笑えるんだけどふと笑ってる自分がちょっと恐くなるような。中島の存在感と声も良かった。パンフレットで小川哲さんも書いてるし最近宇宙誕生についての講義動画を観たのもあって、偶然生まれたものに対してフィクションを立ち上げたくなる人間の想像力それ自体を扱っているものだと思う。偶然てフィクションでは扱いにくいことだけどそこを振り切ってしまうことでこんなに面白くなるのかという。重力と恩寵と偶然と想像という韻が踏める並びの偶然に、つい重力と偶然、恩寵と想像について考えてしまうシモーヌヴェイユが「真空」と読んだものを「偶然」と読み替えてみると、彼女が言った「真空を受け入れること」「真空を埋める想像力を働かせないこと」はフィクションの否定とも読める彼女は多分「想像するな」と言っている。真空を真空のまま受け入れることで、大きな恩寵が降ってくると。

シモーヌ・ヴェイユは真空を求めてはいけないと書いた。真空からのがれるのもいけないとも。来年はそれを実行する。

Posted by satoshimurakami