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現美に行く途中、制服の青年が自転車を倒していた。参考書が十何冊もつまった薄いビニール袋をハンドルにぶらさげ身動きが取れずにいる。大丈夫ですかと声をかけて自転車を抑えると彼はありがとうございます大丈夫ですといって自転車を持ち直したのだが。ビニールの取手がやぶれて参考書ごと下に落ちる。一瞬、沈黙。それからもう一度大丈夫ですかと笑いかけると彼は、一度学校戻ります…と言った。気をつけて、とハンドルを彼に返した。今日はとても寒いが、もう春だと思った

Posted by satoshimurakami