03250022

幼い頃、父親といっしょに風呂に入っているとき、頭は爪を立てて洗うんじゃないと言われた。頭を洗うたびによぎる記憶。今ではすっかり指の腹で洗えるようになったが、当時はそれをすると髪の毛との摩擦で指が痛くて、あまり長い時間ゴシゴシできなかった。父親は僕のそんな気持ちなどわからない様子で、ゴシゴシと洗っていて、大人ってすげえなと思った。きっと指が柔らかかったから、できなかったのだろう。そう教えてほしかったけど、でも教えられなかったからこそ、なぜ自分にはできず父にはできたのだろうという疑問が今の今まで残りつづけているのかもしれない

Posted by satoshimurakami