7月3日21時47分

髭とBrother Sun Sister Moonが新代田でツーマンライブをやるという衝撃的なニュース。髭。なつかしい。青春の髭・・・大学生のときは須藤寿の髪型を真似したこともあった。そして人生で最初にできた彼女が、二十歳くらいのときに行った髭のワンマンライブで、腕と後頭部がぶつかったことがきっかけで知り合った女の子だったことが、海底から水殿がざぱーんみたいな感じで蘇る。いま思うと最初で最後のナンパだった。当時の僕は4年間の片思いの末の3度目の玉砕をくらったあとで、ほんとうに病気みたいに参っていたので、あいつを断ち切るためにはなんでもやってやるぜという危険な精神状態であり、なんなら前で踊っていた女の子の頭に腕をぶつけにいったように記憶している。ほんとうにごめんなさい。普通に話しかければいいものを、それをする勇気もなく、なにかきっかけがほしかったんだろう。それで腕をぶつけにいくとは、頭がおかしい。許してください。20代前半というのは小さな思考に囚われてとんでもない間違いを犯しやすい年頃とデカルトが言っていた気がする。かんべんしてください。ぼくは鼻の調子が悪くて、ライブが終わったあとにその人にティッシュをもっていないか訊いたのだった。彼女は、あるかもしれないですと言って、小さなポーチからポケットティッシュを出してくれた。なんて優しいんだ。それからどうやって連絡先を交換したのか、次に会ったのはどこで、どうやって仲良くなっていったのかは忘れてしまった。当時はラインもSNSもない。mixiはあったが。だけど僕たちはそれなりに距離を縮め、お付き合いを始めた。しかしおどろくべきことに、名前が思い出せない。ひどい話で、自分はなんてクソ野郎なんだと思うけど、本当に思い出せない。なんだっけ。そんなに長くはなかった気がする。三文字とか、そんくらい。元気だろうか。人とお付き合いをしたことがなかったうえに、ものすごく好きで付き合い始めた相手でもなかったので、どうやって相手のことを思えばいいかも、どうやって親睦を深めればいいかもわからず、すぐに別れてしまったように記憶している。ひどい。ひどすぎる。魂のランクが二段くらいさがるレベルではないか。僕の魂のランクはいまどのくらいなのだろうか。2段下がれば松も梅になる。梅でとどまっていることを願う。カラオケに行ったことは覚えている。写真を撮り、その写真を何度か見返したから。顔も覚えている。でも名前がどうしてもでてこない。一文字もかすらない。どうか元気で生きていてください。

Posted by satoshimurakami