7月6日

山梨県立リニア見学センターを見学した。まさか実際に500キロで走っているリニアモーターカーが見られるとは思っていなかった。だけど不思議なことに、そのスピードを目の当たりにしてもあまり驚けなかった。たしかにものすごく速いのはわかるのだけど、どうにも現実味に欠けるというか、なにが通り過ぎて行ったということはわかるのだけど、それが「速さ」であるという認識ができないというか。スターウォーズの見すぎで目の感覚がいかれているのもある。

リニアシアターという、リニアに乗ったときの振動やスピード感が体験できる部屋に入って8分位の映像も見た。東京大阪間を最速67分で結び、都市と都市はもっと近くなるでしょう、明るい未来が待っているでしょう、というナレーションなのだが、こちらもまた驚くほどワクワクしない。東京大阪間が短くなるから、だからなに?という感想が漏れてしまう…。
リニアの歴史を表す年表を見てびっくりしたのだけど、このプロジェクトはもう40年以上前から始まっていて、1980年頃には500キロでの走行に成功している。そのころは、スピードを速くすることが絶対的に善いことだったのかもしれないが、いまは、頼むからこれ以上生活のスピードをあげないでくれとしか思えない。完全に過去の遺物。「高さ」と「大きさ」さえあればなんとかなると思っていたピラミッドの時代よろしく、速さをバカみたいに追い求めている。しかし2027年には東京名古屋間が開通予定らしい…。乗る人いるのか…?これに乗る人が殺到するような雰囲気なら、この世界がそんなゲームなら、ちょっとぼくはゲームを降りたい。

Posted by satoshimurakami