9月8日

道を歩いていたら、自転車に乗った小学生くらいの男の子が赤信号の前で、暑さにやられて倒れるところを目撃した。男の子はすぐに起き上がり、自転車に乗り直して前にいる友達に合流し、どこかに行こうとしていた。隣を歩いていた人も目撃したらしく、「死んじゃうんだから、熱中症で!」と騒いでいた。
僕は急いで自動販売機で水を買い、車に乗って窓から少年に渡そうとした。「これ飲んで!熱中症だから水分とって!死んじゃうからね!」しかし少年は、「大丈夫です」と受け取らなかった。少年はスポーツドリンクを持っていたのでぼくは「じゃあそれをたくさん飲むようにして!」と言って別れた。
おそろしいのはここからで、僕が車を道端にとめたところで、さっきの少年たちが自転車で集まってきて、一人がドアをあけようとしてきた。「どうした?」と聞いたら「ここにはこれから〇〇(ききとれなかった)が来るから車をうごかしてください」という。それはすぐにうそだとわかる言い方だったので「こないよ」と僕は言って車を動かさなかった。
そうしたら今度は少年たちが車のまわりを取り囲み、ベタベタさわったり落書きをはじめたりした。僕は車内にいるので確認はできないのだが、少年たちの姿勢と表情から、落書きをしていることはわかった。
僕は「え、なんでこんなことすんの?警察よぶよ」と言った。「警察よばないよお」と少年は言った。僕はスマートフォンをだして電話をかけようとしたのだけど、あわてていて、番号入力の画面に移行するボタンが見当たらない。ぜんぜん電話ができないので、携帯を耳に当てて警察に電話をするふりをした。一人の少年がそれに気がつき「やべー!」と騒いでいる。僕はかまわず続け、それから電話を切ったふりをした。
すると少年たちは逃げるのかと思いきや、逆に興奮し始めたらしい。僕が電話を切ったとたん、窓ガラスが割れる音がした。見るとフロントガラスに小さな穴が空いている。石を投げたらしい。少年はガラスが割れたことにちょっとびっくりしているようだったが、それでも騒ぎ続けた。なんでこんなことするんだと聞いたが、よくわからない答えが返ってきたところで目が覚めた。起きると枕元にゲンガーのぬいぐるみが立っていた。

Posted by satoshimurakami