10月1日15時8分 UlulUと田上碧

狛江の地べた音楽祭と、下北沢の440というライブバーでのツーマンという、2つのライブイベントをはしごしている。地べた音楽祭は友人たちが企画・出演していて主に田上碧目当てで、440はUlulUというバンド目当てで行った。思うに、田上碧はどんどん風に近づいている。彼女は現象になりたいのかもしれない。ぼくもいつか現象になりたい。
UlulUもよかった。「風」の歌い出し、鳥肌たってしまったし、ちょっと泣けた。こわいくらいにすべての曲が好みで、このバンドを見つけられたのは今年最大の発見である。歌詞がほんとうにいいのだけど、「歌詞」といいたくない。「文章」といいたい。彼女らは「文章」を歌っている。
それと、うまく言えるかわからないのだけどなんというか、からだがかたい感じというか、関節のかたいサウンドがずんずん進んでいく感じがたまらない。歌詞(文章)も含めて、とても親近感を感じる。友人に「さとしが書いた文みたい」と言われてうれしかったし、そう感じるのもわかる。
音楽をずっと聞いていて、瞬間と永遠の「近さ」について思った。たとえばギターの弦をかき鳴らす瞬間、あるいは「でんしゃ」と歌い出す瞬間に、永遠の時間を見てとることは、結構簡単にできる。
ギターという概念と、ここで鳴っている一本のギターと、それを鳴らす人と、鳴らす人が影響を受けてきたであろう音楽と、そしてここで音が鳴らされたことによって未来に作られていく影響と、それらすべての歴史がライブ中のあらゆる一瞬に結実しているわけで、すべての一瞬には永遠が包み込まれているのだなと。まあ当たり前といえば当たり前なのだろうけども。
そして何よりも問題なのは、地べた音楽祭を抜け出して下北で2時間のライブを観て、狛江に戻ろうと思ったら特急に乗ってしまい登戸まで来ても、まだ僕の手には地べた音楽祭から持ち帰ってしまったプラカップのゴミがある。ずっと捨てられないでいる。ゴミ箱がないから。ゴミが捨てられない国、日本。

Posted by satoshimurakami