12月15日0時59分

本来、ひとは「場所」なのである。そのなかに潮が満ち引きする海があり、海へと流れる川があり、山や谷が連なり、朝日に照らされた湖畔の水面を風がなでて、ときには繁華街のビル陰であやしい取引をする人々が住まう場所なのである。大きな家を借りたり、アトリエを持つことは、その場所を現実という三次元空間に翻訳することなのである。その空間が都会にあるのか、山にあるのかというような、座標的な情報は重要ではない。ただ、翻訳できる場所がある、ということが一義的に重要なのである。

Posted by satoshimurakami