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気温が猛烈に上がり、昼間などはTシャツでもいけるくらいであった。最高気温予報は24度とのことだった。おそらく花粉由来の鼻水の猛攻を受け、朝から何百回と鼻をかみ、昼になる前に一日の体力を使い果たしてしまった。今は夜で、午前中に急遽行ってきた耳鼻科でもらってきた薬も効いておさまってくれてはいるが、日中は朦朧とした意識の中で、一昨年「みんなのミシマガジン」に書いた「顔面の住人について」という文章を思い出していた。この鼻はときに完全に我輩のコントロールを離れて暴走する。この鼻炎の発動条件が、この鼻とはもう三十四年一緒にいるのに、いまだに掴めずいる。朝などは、長袖からTシャツに着替えただけでくしゃみがとまらなくなった。おそらく肌の露出面積が増えて、体感気温がかわったからである。
第一に、この鼻は寒暖差に弱い。あわてて長袖に着替えなおした。また、掃除をしたり服をたたんだりしても、くしゃみが出てくる。花粉の時期以外はそれほどひどくないことが多いのだけど、服の繊維とかハウスダストみたいなものと、花粉が一緒にくると反応してしまう。でもこれは今日、耳鼻科の先生に否定された。「ハウスダストとかダニは、アレルギー検査で出なかった(陽性にならなかった)ので、スギ花粉だと思います」我輩はとりあえず相槌を打ってはいたが、信じなかった。でなければ、なぜ窓を閉め切った部屋で掃除をするだけでくしゃみがでるのか、説明がつかない。医学検査で特定できるアレルゲンなど、無数の因子が複雑に絡み合っている現実という海においては、海面に現れる波模様のひとつにすぎない。

先生曰く、スギ花粉に「カーボン」(排気ガスとか)がくっついて粒が大きくなったときに、花粉症が発動するという。先日、千葉の杉林に入ったんですけど、ぜんぜん大丈夫でした、と言ったら、そうなんですよ、と髪の色が非常に派手な、いかしたおばちゃんの先生が頷いていた。日中はほとんどなにも手につかず、途中で諦めて昼間から本を読んでいた。

Posted by satoshimurakami