3月26日1時3分

久しぶりの、完璧なるいい夜だった。田原さんの友人の、台湾出身の同世代で、もうすぐ日本で働き始きはじめるユンさんという人と仲良くなり、台湾語版のぼくの本と絵本をプレゼントして、タバコを吸って、内田さんも含めた四人で台湾のお茶を飲み、駅前の団子屋のおいしいみたらしだんごをたべ、ぼくが作ったココナッツケーキも食してもらい、またタバコを吸いながら台湾の言語環境の話(台湾華語を使う主に若い人が、台湾語と日本語しか話せないお年寄りと話すために台湾語を勉強したりする)やら、職場の話、九州と京都の話、戦争の話をして、以前ひとから台湾土産でもらっていたのだけどパッケージの表記が読めなくて調理法が分からなかった、スパイスの詰め合わせ(豚肉をスパイスで煮詰めた料理と鶏肉のスープの二種類)を翻訳してもらったりもして、せっかくだから夜ご飯もみんなで食べようということになり、それならいま訳してもらったこの豚肉の料理を作ろうという流れが生まれ、四人仲良く車に乗って業務スーパーまで行き豚肉ブロックとネギとごぼうとにんじんなどを買い込んで一つしかないコンロでわいわいと一時間くらいかけて調理をして、ようやく食べ始めたのが九時半。スープうまい!人参うまい!と食べながらも、日本語の難しさの話で盛り上がった。ユンさんが日本語上手でナイスキャラだから、話がもりあがる。「誤解を恐れずに言うならば、このスープは、お茶に似ている」というぼくの言葉の「誤解を恐れずに言うならば」の意味をユンさんに伝えるためにみんなであれこれ考えたり、日本語の日付の数え方は難しいという話から、日本語には「自分」を指す言葉が、わたし、ぼく、俺、うち、わし、わがはいなどめちゃくちゃたくさんあって、そのひとつひとつが微妙に違うことに関する議論でもりあがった。台湾では父と母のことをババとママと呼ぶ、日本語でもパパとママと呼ぶが、お父さんやお母さん、親父、おふくろとも呼ぶが、台湾ではそのような使い分けはない、という話も。その合間にたびたび、今回作った料理の台湾での発音をみんなで口に出して、発音完璧!とか、違う、とか言って笑う時間を挟みつつ、たぶん11時ごろまで話し込み、「片付けるか」という言葉を合図に食事会はお開きとなり、洗い物をして、ユンさんを駅まで送って解散。本当にいい夜だった。

Posted by satoshimurakami