大分

[告知]

Art project Oita「循環」

期間:2013年11月9日~2014年1月5日
会場:大分市中央町3丁目3-3-19「the bridge」向かいのフンドーキンマンション4、5階

入場料:500円(期間中何度でも入場可)

参加作家:遠藤一郎、林千歩、平川渚、飯島浩二、SAVAKO、安東幸夫、水川千春、はまぐちさくらこ、秋山裕徳太子、村上慧、旅する服屋さんメイドイン、たろ、愛☆まどんな、雪野恭弘、小鷹拓郎、小野愛、篠原有司男

 

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大分での滞在制作から帰ってきて、すぐに風邪をひいて一日寝込んでました。37.5度の熱が出た。

帰りの未来へ号にのっている時点で、のどがいたくて、これは危ないと思っていたけど、未来へ号おりたあたりからだるくなってきて、家に着く頃にはもう完全に風邪ひいてた。

 

10月31日から昨日まで、大分市で開催されている「Art project Oita」に出品するため、大分市中央町にある「フンドーキンマンション」という建物で滞在制作をしていました。

Island Japanの伊藤さんと一郎さんからのお誘いを受けて参加したのですが、これがとっても楽しかったです。ただみんなでわいわいやって楽しかったというだけじゃなくて、参加作家として、ちゃんと制作ができたということをふくめて、充実した10日間でした。途中、2回くらい絶望に近い状態に陥り、夜中に走ってみたり、海まで散歩したり、ずっとやめていたタバコをすってみたりして、なんとか乗り越えて、作品に形を与えることができました。僕の制作部屋は5階だったのですが、フンドーキンマンションは、1階の次が4階になっているから、上の階の部屋に居ると地上との隔たり感が強くて、部屋にずっといるとどんどん孤立した気持ちになっていく建物でした。

最近は、映像編集の面白さにちょっとはまっています。映像の中では、例えば、町で掃除をしている清掃員を撮影して、その人が手を動かさないでぼーっとたっている瞬間だけを編集で取り出すといったことができる、みたいな、そんな映像制作の頭になっています。

 

今回の大分の滞在制作、10日間の短いあいだだったけど、古いビルにみんなで滞在して、それぞれの関係がとても密な状態で生活していたので、最後のお別れのときは、とても寂しい気持ちになりました。僕は最近までずっとバイトばっかりで、制作活動をあまりやっていなかったので、久しぶりに作家の人たちと交流して、緊張とか、不安とかで、まわりの作家さん達とうまくコミュニケーションがとれないという状態になってしまっていたけど、最終的に良い展示が作れたと思います。

また、一緒に仕事した作家さんたちの作品以上に、その振る舞いをみて、感動することが多くありました。

旅する服屋ともくんをみていて、僕自身が少し前までは、なにかと地域のコミュニティに入り込んでいくことを武器にしていたことを思い出した。地元の人が集まる居酒屋に通って仲良くなって、漁師の船に乗せてもらったり、祭りに参加したり現地の人と海に入って貝をとったり、持ち寄りの鍋をやったりして、とにかく地元の人と親密な関係をつくることを作品の一部にしていて、いまあのときみたいな動き方ができるかと自分に問うと、できないかもしれない、と思う。もう一度行かなくちゃいけない、というのが面倒に感じてしまったことが何度もあって、一度関係をつくってしまうと、それを維持しなくちゃいけない、という気持ちが勝手に働いてしまって、疎遠になった気持ちに”僕自身が勝手に”なってしまう。でも、ともくんや、一郎さんをみて、変に気を使うことは、相手にとっても自分にとってもよくないことになるのだと、改めて思った。

小鷹拓郎さんは、「自分のフィルターを通した他人の話」をするときに話し方のスイッチが切り替わる感じがあって、それがもろに今回の「401号室の元住民の展覧会を開催する」という作品に現れていて面白かった。飯島さんの作品もかっこよかった。一郎さんのもよかった。

女性作家の人たちのかっこよさにも痺れた。さくらこさんが来た初日に、部屋をのぞいてみたら床に寝ていて、その姿に作家としての覚悟みたいなものが見て取れて(というか勝手に僕が見て取ったんだけど)痺れた。さくらこさんもだけど、愛まどんなさんとか水川さんもずっと一貫したスタイルでぶれずに制作していて、その振る舞いもとてもかっこよかったし千歩ちゃんかわいかったし。

裏さんたちをはじめ、別府に滞在中の小野さんとかコーヒー屋のさくらとか、チェリーさんとか、大分を拠点として活動している人たちと仲良くなれたのも嬉しかった。しかも、なんと僕の学生時代に仲良くしてもらっていた先輩が、フンドーキンマンションの近くの飲食店立ち上げに深く関わっていたらしいということが、大分から帰ってきてからわかって、展覧会のクロージングで会う約束をした。これから何度も足を運ぶ場所になっていきそうな気がする。

 

僕はこれから、風邪をなおしつつ、自分のプロジェクトのための「練習」をはじめようと思う。この世界を、僕の活動に反射させて、大きくうつし出すために。

今回の滞在で戦っている人たちと再会できて本当によかった。「たたかっている人たち」と久しく会っていなかった気がする。またみんなと再会できるようにがんばる。

Posted by satoshimurakami