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秋葉原駅近くのRAKU SPA1010というスーパー銭湯の休憩場にいる。カウンター席に座っているのだけど、長時間座らせないためかやたら椅子が高くて、もう1時間半くらい座っているのだけど、左足が痛くなってきた。久々に歩いたので、足にダメージがきている。足の痛みは久しぶりに家を担いで歩いたら必ず来る。たいてい朝には治っている。40キロ歩いた時は、1日じゃ治らなかったけど。

受付で聞いた通り、このカウンター席には電源がある。銭湯もここも使えて470円は安い。金曜夜だけど6つあるカウンター席には二人座ってるだけ。風呂場はシャワーの空きがないほど混んでいたけれど。席に着いたらまずバックパックの中からカメラやらパソコンやら機材をドカドカと取り出し、今回の移住生活ではもはや恒例になりつつある充電タイムだった。僕はいま1席につき二つある電源を3つ使っていて、一つ目の電源にはGoProのバッテリーが二つ充電できる充電器、二つ目の電源にはiPhone用のリチウムバッテリー、三つ目の電源はMacBookの充電器を繋いで、コネクタをかませてiPhoneMacbookを同時に充電している。つまりいま僕は五つのバッテリーを同時に充電している。こんなこと移住生活をしている時以外は、まずやらない。「移住を生活する」プロジェクトは、実はリチウムイオン電池にかなり支えられている。

さっき脱衣所で「今日、口座見たら振り込みがあって、久々に自分の口座が10万超えてて、びっくりした」という話し声が聞こえてきて「みんな大変だよなあ」と思ったし、この国は意外と、というかやっぱり、かなり厳しい状況にあるんじゃないか?学校が閉鎖されて給食が食べられない子供達は大丈夫か。

今日はいろいろなことがあった。ちょっと今日中に書ききれるかわからないけど、とりあえず書いていく。まず昨日書いた通り、今朝は5時50分に起きて、信濃町のお寺を朝6時過ぎごろに出発。撮影をお願いした涼ちゃんには近くの宿を取ってそこに泊まってもらい、朝6時にこのお寺まできてもらった。ありがとう。

 お寺を出てしまったけど、その日の絵を描いてなかったので、とりあえず近場にあった四谷見附公園というところに家を移動させ「仮置き」した。かなりキャリアの長そうな路上生活者のおばちゃんが寝ていて、なんだか安心した。大丈夫そうだなと思った。しかしこんな早い時間に敷地外に出るのはたぶん初めてだ。そこで4時間くらい絵を描いていたのだけど、ここは本当に良い公園で、トイレもあるし、喫煙所もあるし、ベンチもゴミ箱もある。居心地が良い。絵を描いてたら2回ほど話しかけられた。一回目は、なんか人懐こそうなおじさんに、「これはなんですか?」と聞かれ「家を動かして寝るっていう生活をしてるんですよ」と答えたらすぐに「いままで何ヶ所くらいで寝たんですか?」みたいなことを聞かれ、飲み込みが早いなとおもいつつ「うーん300箇所以上は、いってると思いますけど・・」と行ったら今度は「目的はなんなんだろう?」と聞かれ「いやあ、なんで言うんですかねえ、ざっくりいうと、絵描きなんですよ。」みたいなことを言って、描いている絵をみせた。おじさんは「中国人が住んでいるらしい、面白い家」が近くにあるという話をして公園前のキリスト教会に入っていった。

2回目に話しかけられたのは公園を管理してる人だった。でも公園管理人というよりは、工事現場監督という格好をしていたので、最初はそうとわからず「これはなんですか」という質問に対して普通に「これを移動させながら、家にして寝てるんです」みたいな答えをしてしまった。公園管理人だとわかっていたら「すぐにどかします」とまず言っただろう。管理人のおじさんは

 と、昨日ここまで書いたところで銭湯利用者が出ていかなければいけない25時になってしまい、急いで充電機材をまとめてRaku Spa1010(セントウとよむらしい)を出て、家に戻った。公園には3人ほど人がいるだけになっていた。一人は、ウッドデッキ下の階段に座りながら突っ伏して寝ていた。

 朝起きたら雨が降っていて助かった。公園そばの敷地なので、人が来やすいのだけど雨が降ると人が少なくなる。でもさすがに3331のオープン時間である10時までごろごろしていたら人がウッドデッキ上を歩きはじめて、そのたびに振動が伝わって寝られたものではなくなった。洗濯物がたまっていたので洗濯物をトートバッグに詰めてパソコンも持って外に出て、大型コインランドリーが近くにあったのでそこへ行き、洗濯物を洗濯機に入れ(400円)、20分間の洗い時間中はランドリーそばのマクドナルドで朝ごはんを食べ、ランドリーに戻って洗濯物を乾燥機に移動させ、300円を入れて30分間の乾燥時間の間にこれを書いている。今は3331近くのカフェベローチェにいる。

 昨日の続きを書くと、公園で管理人のおじさんに「本当は公園にものを置くのはお金がかかるんですよ。利用料金、平米あたり六十円だっけなあ。カメラも、本当は何千円か、かかるんですよ。ほんとうは。」と言われ、「ちょっといま休憩してるだけなので、あと1時間・・」と言ったら「次からはお願いします。」と言って去っていった。良い人でよかった。彼はロボットではなかったと思う。今日は聞かれなかったが、こうやって家をおろしているとたまに「ここで寝てるんですか」と聞かれることがあり、困ってしまう。この家で寝てることは事実なのだけど、場所はここではないから。そうです、ともそうじゃないです。とも言えない。地面に置いてある僕の家を初めて見た人は、まさかこれが歩いて運べるものだとは思えないので、「ここで寝てるんですか?」と聞かれた時に、「この家で寝てるんですけど、場所はここじゃないです」と、真面目に事実を答えても「はあ・・」みたいな感じになる。これは僕が前から思っている、家は、基礎と、その上に乗っている住居を分けて考えた方が良いという問題にもつながっているかもしれない。家が地面に置いてあると、人は即座に、この場所で、この家の中で寝てるイメージを抱いてしまう。

 公園で絵を描き終わった後、今日は3331アーツ千代田にいってみようと思った。前日に敷地の交渉で結構疲弊したので、もう敷地交渉はしたくなかった。都内で、お寺で敷地を交渉するのは精神的に厳しいものがある。思えば、2014年に「移住を生活する」を始めた時も、都内の移動中はあまりお寺にはいかなかったな。それで神田方面に撮影しながら歩き始めた。歩いているとよくわかるけど、東京の太い道路は川みたいになっている。朝のお寺(このあたりはお寺がたくさんあり、坂の上になっている)から新宿通りに南下する時には坂を下り、新宿通りから神楽坂や市ヶ谷方面に北上する時は坂を登る形になる。新宿通り自体が東へ流れる谷底川みたいになっていて、そこに直行する道路は坂になっている。四ツ谷のあたりでは、さらにボコッと地面が下がっている。

 今日のハイライト、というか、超胸糞モーメントが訪れたのは正午ごろ、一通り撮影を終えて、お腹が空いたので九段下のロイヤルホスト(ものすごい高いビルの1回部分がロイホになっているような店舗)に入ろうということになり、家をロイヤルホストそばの何もないスペースに置いて、ご飯を食べている間は置かせてもらおうとしたが、家を下ろしてから、ものの1分くらいで警備員が現れ、「すいません、どこの方ですか?」と聞いてきた。なぜか最初からやたらに攻撃的な口調だった。「どこの方」という質問にどう答えればいいか一瞬迷ったが、「ちょっといまこれを歩いて運んでて、ロイヤルホストに入りたいんで」と言ったら、再び攻撃的な口調で「いや、どこの方ですか?」とまた同じような質問をしてきて「ご飯を食べてるあいだ置かせてもらいたいんですが」と答えると、「ここには物は置けないんで」と。「ご飯食べてる間だけでも、だめですか?」と聞いたが「だめです」と、切り捨てられた。「とにかく!この敷地から出てもらえますか!」と言われた。かなり強めに。僕は「神経症患者かな」と思ったが、とりあえず他のファミレスを探そうと思い出て行くことにした。ロイヤルホストのカラメルパフェが大好きなだけに、非常に残念だった。ロイホは悪くないが。しかしいま思い出して書いていても胸糞が悪い。だから東京の景色はつまらんのだ・・東京に「公共空間」は存在しない。

 このエピソードを、あとで3331で会ったArts&Societyという、社会とアートの関係についてリサーチやアーカイブ活動などをしているNPO法人の人たちに話したら、その「何もない場所」は「公開空地」だろうと言われた。

『公開空地(こうかいくうち)とは、オープンスペースの一種。建築基準法総合設計制度で、開発プロジェクトの対象敷地に設けられた空地のうち、一般に開放され自由に通行または利用できる区域。有効容積に応じて、容積率割増や高さ制限の緩和が受けられる。』Wikipediaより

 つまり建物には高さ制限というものがあり、高いビルを建てるときに、そのまわりをオープンスペースにしたらその高さ制限の緩和を受けられるというものだ。「高くつくる」というメリットを得る代わりに、公共空間を提供せよ、ということだ。であればなおさら、ご飯食べてる間くらいはおかせてくれよと思うのだけど、実際には警備員に攻撃的に追い出された。結果的に生まれたものは何かというと、ただの、何もない、つまらない、だだっ広い、ビルのそばの空間だ。「オープンスペース」には程遠い、ただの「空気のかたまり」だ。

たぶんあの警備員はロボットだったのだろう。

 しかしこんなに重要なことを今まで知らなかったとは・・自分が恥ずかしい。公開空地、という言葉を知っていたら、あのロイヤルホストでの結末も変わっていたかもしれない。

 何にでも決まりを適用してしまう人間が多いという問題もあると思う。ルールを、人格に内面化させてしまっている。目と口と耳と脳みそがある意味がない。決まりなんてただの決まりなんだから。もうちょっと普通に考えて欲しい。僕は人間の街に住みたい。

 その後は近くにジョナサンを見つけ、駐輪場に家を置いて、涼ちゃんのアドバイスのもと、店員に席に通されてから駐輪場に置いた家の写真を見せ、「ちょっと、こういうものを駐輪場に置かせてもらってるんですが、店を利用している間だけ、置かせてもらってもいいですか。自転車2台分くらいの大きさなですが」と言ったら、男性店員が「はあ・・えっと、、」と困ってしまっていたので、「何かあったら僕に言ってください!」と言ったら、「はい!かしこまりました~」となって、一件落着、何も問題は起こらなかった。あとで涼ちゃんに「いいですか?」って聞くと、「いいですよ」とは言いにくいかもねと言われ、ハッとした。たしかに店員の身になって考えると「置いてもいいですか?」と聞かれたら困るかもしれない。「置いてあるんで、よろしく~」くらいの軽い感じで言った方が向こうも楽だろう。僕は真面目に色々なことを人に説明し過ぎている。相手に責任を取らせないようにすること。荷物おかせてもらってます!と一方的に言うこと。そしたら「かしこまりました!」となりやすい。店に入る前に「置いていいですかね?」とか聞くと、店員が「どれどれ」と確認するハメになり、最悪置くのがダメになるかもしれない。このプロジェクトは、フェリーに家と一緒に乗るときも、駐輪場なんかに「仮置き」するときも、許可を誰に取ればいいのかわからないものの許可をとる必要がある場面によく出くわす。こうやって「言い方によって結果が変わる」出来事がとてもたくさんある。でもそれが人間とも思う。「A」を入力したら、いつも決まって「A’」が出てくるのは人間ではない。人や、時間や、気分によってBがでてきたりCがでてきたりする。そうでないと目と口と耳と脳みそがある意味がない。僕としてはジョナサンで「自転車二台分くらいの大きさなんですけど」と言えた自分に成長を感じた。数年前の自分ではこれも言えなかったと思う。

 ジョナサンでご飯を済ませ、涼ちゃんと別れて3331へ行った。事前に連絡はつかなかったけれど、着いてみたらスタッフが「家がきたぞ家がきたぞ」とぞろぞろとでてきた。ここで眠るつもりだったが、寝ていいですかときくとまたここはここで面倒な感じになるので「今日、ここに泊まるかもしれないです~。僕が勝手に寝てるということにしてください」と、複雑な文法で話をしたら「事務局内にはこっそり周知しておきます。」と言ってくれた。

間取りとしては、寝室は3331Arts Chiyodaのウッドデッキ

トイレは練成公園の公衆トイレ

お風呂場はRaku Spa1010

オフィスはRaku Spa1010の休憩室

ご飯は3331からすぐのFINE’S BARという店。とりあえず目についたので入ってしまったけど、ボロネーゼはなかなか美味しかった。

ご飯をたべて帰ってきたら22時とかでも公園にはぱらぱらと人がいて、一つのベンチは宴会っぽくなっていた。ちょっとうるさいかもしれない。酔っ払った人がくるかもしれない。しかしウッドデッキには「立ち入り禁止」というチェーンの結界が張られているので。気持ちはだいぶ違う。それからRaku Spaに向かい、冒頭の部分に戻る。

と、書いていたら3331の人から電話が。どうやらここも出て行った方がよさそうだ。

 

03140015 | 2020 | 未分類 | Comments (0)

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