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松代の町を散歩してたら大きな緑色のカマキリが民家の塀にとまっていて、何か黄色い物を捕まえて食べてた。カマキリはかっこいい。狩ったその場が食 卓になるのだ。サバイバーだけど、食事をしている姿はとても上品に見える。近づいてみるとそいつは首を150度くらいまわしてこっちを見た。完璧に目があった。目があった途端、それまでもぐもぐしてた口の動きを止めて、ゆらゆらと揺れだした。あのカマキリ独特の動き。風に揺れる葉っぱに擬態し てる気なんだろうけど、そんな思い出したようにやっても意味ないだろと思った。かわいいやつだな。で、何を食べてるのか知りたかったけどびっくりし てせっかくの食料を落としたら悪いなと思って近づくのはやめた。何かわからないけど皮は茶色で中身が黄色いものだった。カメムシかも。それを必死で むしゃむしゃと食べているのを見て、カマキリも何か特定の栄養素が不足したりするんだろうかと考えた。

昨日で「まつしろ現代美術フェスティバル」の展示が終わって、今日撤収作業をやった。池田卓馬さんとか津田翔平さんとか、会期中仲良くしてもらって いた作家たちもみんな帰っていった。とても濃い10日間で、こうやって作家が集まって展示したり、夜になると美術のことやら生活のことやらをあれこ れ話したりするのはすごく面白くて、そういえばとてもいろいろ話したんだけど日記にする気にはならなかったのは、たぶん思ってることを発言しちゃっ てるからなんだなと思う。今はとてもさみしい。それぞれの日常がまた始まるのだ。すごく当たり前のことなんだけど、ほんといろんな人がいるよなあと 思う。多様すぎて笑えてくる。みんなそれぞれ違いすぎてタイプ分けできない。こんな色んな人が居てよくやってるよなあ。こんなにいらないだろwって 思っちゃって、ほんと面白いな。
そういえば昨日、紙芝居を個人で作ってデイサービスセンターなんかで発表しているというおばあちゃんと展示会場で出会った。彼女は10年前から紙芝居を作っていて、なんで作り始めたのか聞いたら
「認知症の家族が二人いて、介護に疲れてるときに人にすすめられて。自分で没頭できるものを探さないと振り回されちゃうから」
と言ってた。母親から聞いた話や、松代の昔話や、自分が小学校のころいじめられたけど路上生活者のおじさんに助けられた話なんかを紙芝居にしてた。初めたきっかけがとても切実で、話を聞いてて泣きそうになる瞬間があった。

撤収作業のあと自分の家をずっと補修してた。錆びた蝶番を新しい物に交換したり、ペンキのはがれた部分を奇麗にしたり黒い線を書き直したり、車検に 出してるような気持ちでやった。

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Posted by satoshimurakami