03311224
なんらかの言い間違い、嘘の発覚、情報の行き違い、あの言い方は良くなかったなあとか、そういった心の機微をちゃんと伝えずにいることを繰り返すことによって、あるいは単に相談不足によって、ドミノが倒れていくように、人間関係が決定的に壊れてしまったとき。政府間外交の失敗のちいさな積み重ねによって、衝突が避けられなくなったとき。手に取ろうとしたケチャップのわきに醤油差しが置いてあるのが目にはいらなくて、袖にひっかけて倒してしまい、醤油が床に零れた瞬間。
出来事が不可逆的に進行してしまい、取り返しがつかなくなった、ありとあらゆる瞬間に「ピタゴラスイッチ」のテーマソングを再生する。最後の「ピタ・ゴラ・スイッチ♪」のところで、その出来事は仕方のないことだったのだ、回避できなかったのだ、という諦めを軽やかに与えてくれる。