彼女たち

金沢21世紀美術館から送られてきたムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ(男女二人組ユニット)の展覧会のチラシのテキスト、作家を紹介する文中の代名詞が全て「彼女たち」になっているのを発見して、執筆者の意志を感じた。そして自分が恥ずかしい。普段から僕は集団のことを指すとき、その中に男性が一人でもいたら「彼ら」と呼んでしまっていたかもしれない。下手をしたら男1人に女3人でも「彼ら」と呼んでいる。逆に女1人男3人のグループのことを「彼女たち」と呼ぶことは、パティスミス・バンドとか、明らかに女性が中心になっている集団の場合を除いては、ほぼない。特に意識もせずに、あまりにも長くそれを続けてきてしまった。このささいな文言の積み重ねによって人を少しずつ傷つけていた可能性がある。阻害感を与えてきた可能性がある。こういった細かい言い回しの中にこそ、知らず知らずのうちに内面化されてしまった差別意識の種のようなものが現れるような気がする。
(04181533)

Posted by satoshimurakami